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中世歌謡 2首

ミョヌリ

嫁いできたばかりの
ミョヌリが炊いた飯は
石も混じり 水気も多い

イェヤ、あまり気にするな
これしきの石を石とは言わぬと
礎を見ては
これしきの水を水とは言わぬと
庭前を流れる川を見ては

シアボジは はは、と笑い
ミョヌリは へへ、と笑う

シアボジ

嫁ぎ暮らした長い歳月
苦労もそれは多かれど
厳しくも 温かきは
シアボジの陰でございます

 ※ミョヌリ=嫁
 ※イェヤ=大人が子どもや目下の者を呼ぶときに使う言葉
 ※シアボジ=舅

 (朝鮮古典文学選集1「歌謡集(1)」83年・文芸出版社)
 (選訳・金栞花)

(作者未詳)

[朝鮮新報 2011.1.11]