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祖平統書記局備忘録(要旨) 「南当局は北南対話の破壊者」

 祖国平和統一委員会(祖平統)書記局は4月23日、「南朝鮮当局は北南対話の悪らつな破壊者、じゅうりん者の正体を隠すことはできない」と題する備忘録を発表した。備忘録は冒頭で、「われわれは、南朝鮮に保守政権が発足した以降も終始一貫、対話のために努力の限りを尽くした。しかし、南朝鮮保守当局は同族対決を悪らつに追求しながら対話を拒否し、北南関係を破局へ追い込んだ」としながら、北南対話の破壊者、じゅうりん者としての南朝鮮保守当局の正体と反統一的罪悪を内外に赤裸々に暴くために備忘録を発表すると、その趣旨を説明している。

 備忘録は、南の現当局がこの3年間に北南関係を破たんさせてきたことについて記述した後、「われわれは対話を重んじるが、南当局が同族対決に狂奔してあくまで背を向けるなら、対話にこれ以上こだわらない」と結論づけている。3つの体系で構成されている備忘録の要旨を紹介する。

共同宣言の否定

今年2月にあった北南高位級軍事会談開催のための予備会談。南の不誠実な対応で本会談に移行できないまま決裂してしまった [写真=聯合ニュース]

 現南朝鮮保守勢力は権力の座につくや否や、すべての対話を一朝に断絶し、6.15共同宣言と10.4宣言によってもたらされた成果を踏みにじった。

 保守執権勢力は途方もない「非核・開放・3000」を持ち出して、「対北政策」として正式宣布し、「北が核を放棄し、開放する前にはいかなる対話や協力もしない」と公言し、事実上北南対話の全面拒否を公式に宣言した。

 これによって、2008年上半期に行われる予定であった第2回北南総理会談と副総理級北南経済協力共同委員会第2回会議をはじめ、20余の北南対話と協力事業がすべて破たんした。10.4宣言に明示された西海平和協力特別地帯の設置に関する北南当局間の実務協議も破たんした。

 もともと、海州地域とその周辺海域を包括する西海平和協力特別地帯の設置は南側当局の要請によって、われわれが軍事的に鋭敏な地帯であるが、平和と共同繁栄の立場から受け入れ、10.4宣言に反映された問題である。

 しかし、保守執権勢力は端から西海平和協力特別地帯の設置は「北方限界線」(NLL)をなくそうとする北の戦略だの、それに巻き込まれてはならないなどと反対し、西海平和協力特別地帯推進委員会会議は再開されていない。

 10.4宣言が履行されて西海平和協力特別地帯が設置されていたなら、西海海上でこんにちのように複雑な事態が生じず、危険きわまりない戦争の危機もなかったであろう。開城工業地区も、10.4宣言に明示された1段階建設の早期完工、2段階建設の着手問題はおろか、さらに縮小されて存続の岐路に立たされている。

 開城−新義州鉄道と開城−平壌高速道路の改修・補修問題は一、二度現地を視察することで終わり、臨津江河口共同利用問題、安辺、南浦に造船協力地区を建設する問題などの協力事業は、手もつけられないまま全部吹っ飛んでしまった。

 現当局は、両宣言に明示された祖国統一と北南関係、平和問題にかかわる重要な合意の履行もすべて破たんさせた。

 統一問題をわが民族同士力を合わせて自主的に解決していくことに対しては、親米事大・売国逆賊行為で応え、互いの思想と制度を尊重して内部問題に干渉せず、連邦制統一を実現していくことに対しては体制対決と「吸収統一」妄想、反北心理戦の再開で応えた。

 実に、南朝鮮保守執権勢力によって歴史的な両北南共同宣言が否定され、宣言によって得られた成果が何一つ残らずじゅうりん、抹殺され、和解と団結、平和と統一の道を前進してきた6.15統一時代の流れが一時、止まるようになったのは痛嘆すべきことである。

当局対話の破綻

2008年6月、金剛山で開かれた6.15発表8周年記念民族統一大祭典。これ以降、統一行事は一度も開かれていない

 現南当局は、両北南共同宣言を履行するための既存対話をことごとく断ち切ったばかりでなく、北南関係の破局を防ぎ、平和と統一の新たな局面を開くためのわれわれの対話努力に背を向けた。

 われわれは、南朝鮮で保守勢力が政権を執った初日から反北対決と北侵戦争騒動がかつてなく繰り広げられたが、最大限の自制と忍耐力をもって北南対話のために誠意と努力を尽くした。

 2009年8月、複雑な情勢の中でも特使弔意訪問団をソウルに派遣して北南関係改善のための積極的な意思を示し、金剛山観光客事件が発生した時には、現代グループ会長の平壌訪問を契機に提起される問題を最高の水準ですべて解決する誠意も示した。

 そして、北南赤十字会談を主動的に提起して離散家族面会事業を実現させ、北南関係の改善と対話、協力事業を発展させていくための措置を取った。

 この過程に、不法行為で抑留されていた南の人員を寛大に許して帰してやり、北側水域に不法侵入した南の漁船と漁民らをすぐさま送還する措置もとった。

 しかし、南当局は親米・事大と同族対決政策に執着して北南対話に臨もうとしなかっただけでなく、われわれの対話努力を愚弄、冒とくし、正面から北南当局対話を否定した。

 南朝鮮当局者は就任するや否や、最初の統一部業務報告と対国民記者会見で、北に引きずられる「対北協議姿勢」を改めて「新しい南北関係」を樹立すべきだとし、「原則をもって毅然として対処すべきだ」という妄言を吐いた。

 統一部の玄仁澤長官をはじめ悪質な保守一味は、いわゆる「原則固守」だの、「待つ戦略」だのというき弁を持ち出し、北南対話を執ように阻んだ。

 南当局の不誠実な姿勢は、金剛山観光再開のための会談でもそのまま現れた。

 南当局は2009年11月、われわれが金剛山観光再開のための当局会談を提起すると、朝鮮アジア太平洋平和委員会の権能にむやみに言いがかりをつけて、責任ある当局が出なければならないと難癖をつけて回避した。

 2010年2月、渋々実務接触に応じたが、観光客事件解決のための「3大条件」を盾にごう慢無礼に振る舞い、次回の接触の日も定めないまま帰ってしまうことで対話を破たんさせた。

 また、人道的問題を解決するための北南赤十字実務接触と会談までも不純な対決の目的に悪用した。

 2010年9月と10月に開城で行われた北南赤十字実務接触と会談の時には、離散家族面会の定例化だけを一面的に固執し、それに必要な条件と雰囲気をもたらし、全般的な人道的協力事業に関するわれわれの正当な主張には終始背を向けて接触を空転させたばかりでなく、それさえも延坪島事件を口実にして一方的に中断させた。

 南当局の悪らつな対話破たん策動は、今年の2月にあった北南高位級軍事会談開催のための予備会談で集中的に現れた。

 もともと、この予備会談は本会談開催のための実務手順を簡単に協議するのが目的であった。しかし、南側が艦船沈没事件と延坪島事件に執ように固執し会談場から退場する無礼な行為もためらわなかったので、本会談に移行できないまま挫折してしまった。

 今年の3月末と4月中旬に2回にわたって開かれた白頭山火山共同研究のための北南実務接触に対しても南当局は顔も見せず、何の実権と責任もない民間人たちを押し立てて資料をうんぬんしながらきわめて不誠実に接した。

 南当局の下心は、なんとしても北南当局対話はしないというものであり、反北制裁策動と北南接触、交流遮断措置が崩れかねないということから協力事業も避けようとすることであった。

 今年の初め、朝鮮政府、政党、団体は連合声明を発表して北南対話に関連する積極的な立場を明らかにする重大提案をした。

 しかし、北南当局会談のレベルと日時、場所を協議するための局長級実務接触を行おうという提案と、最高人民会議と南朝鮮国会間の議員接触と協議、中断された北南赤十字会談および金剛山観光再開のための会談と、開城工業地区実務会談を開催しようというわれわれの提案は数カ月が過ぎてもいまだに実現されずにいる。

 対話を阻むための南当局の前提条件は、「謝罪」「信頼性」「人権」「体制変化」など日増しに増している。

 これは、南当局に対話を行おうとする考えが毛頭ないということを示している。

民間対話の遮断

 南当局は6.15以後、良好に発展してきた北南民間団体の対話と接触も悪らつに阻んだ。

 保守執権勢力の遮断策動によって、毎年盛大に行われてきた6.15民族共同行事と北南労働者のメーデー統一行事をはじめ、北・南・海外の各階層の統一会合は2008年6月以後、一度も開かれなかった。

 金剛山で行われた民族統一大会でさえも、南の進歩的な統一運動団体が参加できないようにし、南側代表の演説文と北南共同文書にまで言いがかりをつけて気に触わる文言を削除するようにした。

 艦船沈没事件(2010年3月)以降は、「5.24措置」を発表して民間接触と交流を完全に遮断した。

 それによって、昨年9月と11月に南の民主労働党の北側訪問と北の社会民主党との接触が実現されず、6.15南側委員会言論本部と北側委員会言論分科委員会間の開城実務接触も破たんした。

 今年に入っては、遮断措置をさらに強化して南の「対北協力民間団体協議会」をはじめ、民間協力団体と統一運動団体が出した北側との接触申請をすべて拒み、北南民間団体間で行っていた通信連係と記事交流までも遮断した。

 その結果、今、北南対話と接触、往来は完全に途絶え、一言、一文字さえやりとりできない状態に瀕している。

 南の保守執権勢力は、北南間の民間級接触と交流を阻んだだけでなく、これまで平壌と第3国で北と接触したことがある南の運動団体と人士を「保安法」にかけて、「親北左派」「容共」「スパイ」に仕立てて弾圧することもはばかることなく行っている。

 諸般の事実は、南の保守執権勢力こそ、北南対話の悪らつな破壊者、じゅうりん者であるということを示している。

 南当局の対話拒否、破たん策動によって、北南関係は破壊され、戦争の危険は極度に至った。

 北南関係をこのような状態にしながらも、「正常な軌道に入った」などと唱えているのは、彼らが追求する北南関係がどんなものであるのかを示している。

 南の現当局は、この3年間を北南対話空白期にして北南関係史でもっとも恥ずべき汚名を残した。対話を破たんさせ、北南関係を破局状態に陥れた李明博政権の反統一的罪悪は決して許されない。

 われわれは対話を重んじるが、南当局が同族対決に狂奔して背を向けるなら、対話にこれ以上こだわらない。

 南当局は、われわれの対話努力を見誤ってはならず、反対話、反統一策動が招く重大な結果について熟考した方がよい。

[朝鮮新報 2011.4.28]