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朝鮮赤十字会が真相公開状 漂流住民へ亡命工作

 朝鮮赤十字会中央委員会は18日、「漂流したわが住民に対する南朝鮮当局の反人倫的蛮行を糾弾断罪する」と題する真相公開状を発表した。

 南朝鮮当局は2月5日、気象の悪化によって朝鮮西海の延坪島付近で漂流した北側住民31人を約50日にわたって抑留しながら亡命工作を続け、4人に対しては「亡命意思を示した」として今も北に送還していない。27人は3月27日に送還された。

 真相公開状にはこの27人の証言が反映されており、今まで南当局が発表してこなかった北住民に対する拘束過程や亡命工作など新たな事実が示されている。

 真相公開状は、「計画的で組織的な強制拉致」「卑劣な亡命工作」「悪らつな送還妨害策動」という3つの中見出しをつけて、今までの南当局の行為を暴露している。

 これによると、31人を乗せた船は漂流して間もなく、南当局の主張する「北方限界線」(NLL)も越えていない北側の領海で、南朝鮮海軍の高速艇3隻に囲まれた。船員らは気象の悪化で漂流し、この位置は北側の水域であると主張したが、南の軍人は船に乗り込んできて銃を向けながら脅し、強制的に高速艇に乗せ仁川に連れていった。

 真相公開状は、当時、周辺水域に10余隻の南の艦艇が戦闘態勢を敷いていたことに触れ、諸般の事実は今回の「拉致行為」が偶発的なものではなく、事前に緻密に計画された組織的な奇襲行為であることを示していると指摘した。

 真相公開状はまた、住民すべてが北に帰る意思を明確にし、北側が重ねて即時送還することを要求したにもかかわらず、南当局が住民を50余日にもわたって抑留しながら亡命工作を続けたことについて記している。

 これによると、国家情報院、統一部、軍部、警察などで構成された「合同調査団」は、南にいれば良い暮らしができる、自家用車も持てるし、外国留学にも行けるなどと誘惑し、北の住民らが言うことを聞かないと、「海に突き落として死なせる」と恐喝した。

 また、家族関係を巧妙に利用し、隔離した親と子どもにそれぞれ、南に家族が残ると言っているとウソを伝えた。

 それでも亡命工作が失敗に終わると、何人かだけでも南に残らせようとした。そして、3月3日、南当局は4人が亡命意思を示したと発表し、その4人を27人と完全に隔離した。

 亡命意思を示したという弟に会わせてほしいと兄が求めたが、許されなかったという。

 これについて真相公開状は、南当局が亡命工作の真相が暴かれることを恐れて隔離を続けたとしながら、今回の亡命工作は「最も極悪な反人倫的、反人権的な特大型犯罪」だと指摘した。

 真相公開状はさらに、南当局が27人をまず送還して4人の送還および対面確認問題を協議するとした約束を守っておらず、北にいる4人の家族の手紙を本人らに手渡してほしいという要求も聞き入れていないことに触れ、このような行為はわが人民の怒りをかっていると指摘した。

 そして、北の住民を「拉致」し、「亡命」を強要した南当局の行為は、同族対決の激化、北南対話の破たんなどを狙ったものだと主張した。

[朝鮮新報 2011.4.20]