朝鮮中央通信よると、朝鮮アジア太平洋平和委員会（ア太委）は、金剛山観光が南朝鮮当局によって一方的に中断されてから３年になろうとしていることと関連し、８日にスポークスマン談話を発表した。

　談話は、南朝鮮当局の妨害策動が続くかぎり観光事業が再開する見込みはないと指摘。南の現代と結んだ金剛山観光に関する合意書から現代側に与えた独占権に関する条項の効力を取り消すとの立場を明らかにした。

　ア太委スポークスマンは、北側が金剛山観光の再開のため誠意と努力を尽くした事実に言及し、次のように述べた。

　われわれは、これまで観光再開のため南側に何度も通知文を送って重ねて会談を提起し、南側の立場を十分考慮した合理的で建設的な提案も打ち出した。しかし南朝鮮当局は観光再開を回避し、協議自体を否定した。

　実際、南朝鮮当局が金剛山観光を一方的に中断させて３年間も再開しない状況で、金剛山観光と関連した既存の合意はすでに効力を失ったので、われわれが合意を一方的に取り消しても差し支えない。

　われわれは現代側との信義を守り、現代をはじめ南側の企業の利害関係は言うまでもなく、金剛山観光を希望する南の同胞の念願まで十分に考慮した合理的な案を示して合意を見るため最後まで忍耐強く努力した。しかし、現代側との協議も南朝鮮当局の妨害策動により、とうとう実を結ぶことができなくなった。

　したがってわれわれは、やむをえず朝鮮の法と国際法に準じて合意当事者としての権利を行使する道に進まざるをえなくなった。

　これと関連してわれわれは、現代側と結んだ金剛山観光に関する合意書から現代側に与えた独占権に関する条項の効力を取り消し、北側地域を通じた金剛山観光はわれわれが受け持って行うが、海外の事業者に委任することができるし、南側地域を通じた観光は現代が引き続き受け持って行うという立場を現代側に通告し、それに関する公式文書を正式に渡した。

　それに基づいてア太委と名勝地総合開発指導局は、朝鮮の当該機関に金剛山観光と関連した法律的措置を講じるよう提起した。

　金剛山観光を新しく行うことに関する当該の国家的措置はすぐに取られるであろう。

　現代側が金剛山観光事業の独占権を失ったのは、すべて南朝鮮当局の同族対決と観光破たん策動によるものである。

　われわれと現代との間の信義と協力関係は今後も続くであろうし、南の同胞の金剛山観光を実現させようとするわれわれの立場に変わりはない。

［朝鮮新報 2011.4.14］