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「天安」号事件から1年 南の調査発表を覆す新疑惑

 朝鮮西海の白椏沖で起きた「天安」号沈没事件から1年を機に、さらなる疑惑が浮上している。南朝鮮当局はこの艦船が「北の魚雷攻撃によって沈没した」と主張してきたが、これを覆す新たな資料が公開された。

東海の生物発見

 南朝鮮のメディアが3月26日に報じたところによると、南当局が事件の決定的証拠としていた「1番魚雷」から、朝鮮西海には生息せず東海でのみ生息する生物が発見された。昨年11月7日に撮影された魚雷推進体の写真からスクリュー部分に生物が付着しているのが確認されたという。

 写真を分析したある養殖業者は、この生物が東海でのみ生息しているカニの一種で、その大きさと状態が産卵期の11月頃にのみ見られるものであると指摘した。

 写真を公開した元「民軍合同調査団」のメンバーである申想哲氏は、これは「1番魚雷」が「天安」号沈没の原因と無関係であることを示す証拠であると主張した。

 現在南朝鮮各界では、西海から引き上げたという魚雷にどうして東海でのみ生息する生物が発見されるのかと、当局に説明を要求している。

 また、3月24日の統一ニュースによると、白椏沖で起きた事件発生当時、同島付近で南朝鮮軍の砲撃訓練が行われていた事実が兵士の陳述で明らかになった。これは、毎年3月から実施されてきたフォールイーグル軍事演習と「天安」号事件は無関係とした南当局の発表と異なる。

 これに対し南朝鮮国防部は、「すでに調査団は解散した。当時のすべてが解明された」としながら、事実確認を回避している。

 一方、南朝鮮の民間団体、参与連帯の平和軍縮センターは3月22日、南朝鮮駐在の米国、スウェーデンの大使に「天安」号事件と関連する質疑書を提出。南朝鮮の調査団と共同調査を行ったのか、あるいは支援ないし補助的役割だけを担当したのかなどについて問いただした。

国防委検閲団は談話

 朝鮮の国防委員会検閲団スポークスマンは3月31日、南朝鮮当局が「天安」号事件発生1年を機に、さらに反北対決騒動を繰り広げていることと関連し、談話を発表。「事件はわれわれと無関係である。百日、千日がたっても無関係なことが関係のあることにはなりえない」と強調した。

 談話は、検閲団の原則的な立場として@南朝鮮の現当局者と軍部好戦狂は事件をこれ以上、われわれと結びつける妄動を行ってはならない、Aこれ以上延坪島砲撃戦の責任をわれわれにかぶせようと画策してはならない、Bこれ以上両事件にかこつけて無謀な反北狂気を振りまいてはならない−と主張した。

 談話は、北南関係の改善を通じて朝鮮半島の緊張を緩和し、平和を成し遂げ、それがそのまま東北アジアと世界の平和、繁栄につながることを望んでいると強調した。

 また、対話を行ってもスケールが大きい対話を行い、戦争を行っても本当の戦争の味がする戦争を行おうというのがわが軍隊の立場であるとしながら、南朝鮮当局は、二者択一の道に立っているということをはっきり知るべきであると指摘した。

[朝鮮新報 2011.4.6]