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「過去清算の姿勢が試金石」 朝鮮外務省関係者が言明

 【平壌発=姜イルク】朝鮮外務省関係者が、年始から日本当局者らが朝・日間の懸案問題と関係改善に関心を示していることと関連し、「朝・日関係正常化を実現する上での基本は過去清算だ」と指摘した。その上でこの関係者は、「過去清算に対する日本の姿勢が朝・日関係改善意思を計る試金石になる」と強調した。

 今年に入り「労働新聞」や朝鮮中央通信は、日本の前原外相などが朝・日直接対話への意欲を見せていることに関し「肯定的な動き」だと評価し、日本当局が過去清算の英断を促すための論調を展開していたが、朝鮮の外交当局者がこれを「試金石」とする見解を明かしたのは初めて。

 外務省関係者は「どんなことでも順序がある。朝・日関係では日本の過去清算が先決されなければならない」としながら、「そうすれば朝・日間のその他の問題もいくらでも解決される」とも述べた。

 平壌宣言発表後、自民党政権時代に朝・日会談は何度も行われたが、これといった成果をあげることができなかった。加害者である日本が「補足的な問題」を核心問題である過去清算よりも優先させる立場を取り、関係改善の真意に関して、朝鮮側に疑問を抱かせたことが大きな要因だった。これまでの会談は過去清算問題で進展がない限り、朝・日関係は改善されることがないという教訓を残した。

 一昨年、日本では民主党が政権与党となった。昨年、朝鮮半島で軍事的緊張が高まったがその後、北南間と朝米間に対話の機運が生まれ、日本当局者も今年初めから朝・日対話の再開について公言するようになった。

 しかし朝鮮側の見方は、対話の相手に対する日本の敵視政策が変わっておらず、当局者同士が協議のテーブルに着く雰囲気はいまだに成熟されていないというものだ。

 外務省関係者は、日本にとって「過去清算はしても良くしなくても良い問題ではなく、いつかは必ずけじめをつけなければならない問題」だとしながら、日本が過去清算に誠実な態度で臨むなら、朝鮮側としてもその準備の程度に応じて会談開催の環境を作り出す用意があるとの立場を明らかにした。

 朝・日政府間会談が最後に開かれたのは自民党政権時代の2008年。協議では双方の外交当局者が一連の合意を形成したが、日本政府は「制裁措置の部分的解除」などの会談合意を履行せず政権の脆弱性と指導力の限界を露呈した。朝鮮側は関係改善のための雰囲気作りに取り組もうとしたが、その直後に福田内閣が退陣した。

 外務省関係者は、日本で政権与党が変わったならば朝・日対話でも過去の枠組みを超えた新しい出発をするべきだと指摘、民主党政権が自民党時代と違う姿勢を見せてくれるかどうかを朝鮮側は注視していると話した。

[朝鮮新報 2011.2.18]