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国内燃料でマグネシア製品 輸出拡大に向け

端川マグネシア工場の一部 [朝鮮中央通信=朝鮮通信]

 朝鮮が、世界屈指の埋蔵量を誇るマグネサイト(マグネシウムを含む鉱物)の製品生産を増大させている。国内には世界の総埋蔵量の56%に当たる32億トンのマグネサイトが埋蔵されていると言われ、品質も非常に高い。

 咸鏡南道東北部の端川地区には鉱山が連なり、マグネサイト、鉛、亜鉛をはじめとする大量の有用鉱物が埋蔵されている。

 その中で、マグネシアクリンカーの生産拠点として注目を集めているのが、端川マグネシア工場だ。

 マグネシアクリンカーとは、マグネシア(酸化マグネシウム)を溶融温度で焼き固めた塊状の加工物で、塩基性耐火煉瓦や不定形耐火物などの原材料として用いられる。

 同工場では無煙炭豆炭、瓦、包装容器の生産工程を新たに整備し、粉鉱を利用して各種の建材製品を大量生産している。

 端川地区の鉱山、企業所を傘下に置き採掘と加工製品生産、国内流通および輸出まで全般を管轄する端川地区鉱業総局の李燦火総局長は、「今後、国内だけでなく製鉄業発展を志向する多くの国に良質の耐火物を十分に生産、供給する用意がある」(朝鮮中央通信、21日)とし、輸出を拡大していく意向を示した。その上で、「豊富な経験と技術に基づいているので、その発展の展望がとても明るい」と自信をのぞかせた。

 端川地区内の鉱山や工場の現代化が本格的に始まったのは、金正日総書記の現地指導を受けた2002年6月からだ。

 ソ連、東欧社会主義の崩壊、また1990年代の度重なる自然災害の影響を受けた経済不況の中、端川地区内の事業は停滞状態に陥った。老朽化した設備を更新する術がなく、採掘を正常化することができなかったが、現地指導後、端川地区には国家的な先行投資が行われるようになった。

 金正日総書記は09年6月にも工場を訪れ、マグネシア製品の輸出拡大を念頭に置いた生産工程のリニューアルを指示したという。また昨年12月2日の現地指導では、同工場が朝鮮に豊富に眠る無煙炭でクリンカーを生産できる現代的な工程を設けたことで、国の工業発展に大きく寄与できる確固たる土台を築いたと高く評価した。

 端川マグネシア工場では、輸入コークスに依存した従来の生産方法ではない、国産燃料に基づいた新たな生産システムを確立。また、無煙炭豆炭の生産で核となる粘結剤の問題を解決しただけでなく、CNC(コンピューター数値制御)化にも成功し、より高いレベルでの生産正常化を可能にした。

 同工場では軽焼マグネシアを原材料にした製品も生産されている。

 このエコ建材製品は、低炭素社会の実現をはじめ環境に配慮した「グリーン経済」との関連でも注目されている。二酸化炭素を吸収する軽焼マグネシアの製品は、地球温暖化の防止に効果的に利用されている。

 端川地区には無尽蔵に原材料が埋まる鉱山が伸びるだけでなく、12年に向け現在、港の建設が急ピッチで進められている。端川港が開港されれば、輸出拡大により有利な条件が揃うことになる。(鄭茂憲)

[朝鮮新報 2011.1.26]