〈新年インタビュー〉 生活向上で決定的な転換を |
新年の3紙共同社説は、昨年に引き続き人民生活の向上を主要課題として示し、決定的な転換をもたらすことを呼びかけた。人民生活向上と直結する部門である食料日用工業省のキム・ヨンラン次官(45)と農業省のリ・マンソン次官(46)に昨年の成果と今年の目標、展望などについて聞いた。 工場近代化で品質を高める キム・ヨンラン食料日用工業省次官 −昨年は食料日用工業部門でどのような成果があったのか。 食料工場と日用品工場の技術革新と近代化を積極的に推進し、質の高い食料日用品をより多く生産する確固たる土台が築かれた。 金正日総書記は2009年4月に平壌の三日浦特産物工場を訪れ、食料加工工業で新たな発展を遂げるよう指導したのに続き、2010年には平壌穀産工場と平壌小麦粉加工工場など人民生活向上に貢献する工場、企業所を何度も現地指導した。
総書記の現地指導を受けた平壌穀産工場と平壌小麦粉加工工場では、原料投入から製品包装に至る全般的な生産工程のCNC(コンピューター数値制御)化を実現した。平壌市内の他の食品生産の現場でも近代化が力強く進められた。
各道にある総合食料工場でも生産工程のCNC化を主な目標として行った。菓子類生産工程のCNC化を完成させた工場が多くある。 地元の原料を利用して菓子類や漬物など食料品の種類と量を増やし、その品質を高めるうえで根本的な転換があった。 一方、平壌樹脂鉛筆工場、咸興栄誉軍人樹脂日用品工場(咸鏡南道)、新義州ホーロー鉄器工場(平安北道)など全国の日用品生産工場、企業所でも生産工程の近代化を通じて生産量と品種を増やし品質向上を実現した。 2010年に食料日用工業部門の生産額は1.2倍に成長し、省傘下のすべての工場、企業所では計画を超過達成した。 −新年の食料日用部門の主要目標は? 食料加工工業と日用品生産部門の近代化を引き続き推進しながら、より多くの食料品を生産して人民に供給することである。食料工業部門では全生産工程の無人化、無菌化の実現を近代化の主要目標にしていく。 原料と資材を適切に生産確保することも重要な課題だ。 平壌穀産工場に水飴、酵母、ぶどう糖生産工程を整備し、糖菓子類の生産を国内の原料に基づいて解決するための事業も積極的に推進する。 全国的な範囲で食品の規格を統一する作業も進める。食品生産の統一的な指揮を実現し、新製品の開発能力を高めていきたい。 −目標達成の展望は? 人民が豊かな生活を送れるようにするためにはわが省の任務が極めて重要である。 困難も少なくはない。だが金正日総書記の精力的な指導による人民経済のあらゆる部門でのめざましい成果があげられ、われわれを鼓舞している。 省では これからも食料日用工業の近代化を力強く推進し、製品の品質を引き続き高めていきたい。 多収穫品種栽培面積を最大に リ・マンソン農業省次官
−昨年、農業部門での成果について話してほしい。 昨年の共同社説は昨年を農業の年に定め、農業生産は国家による積極的な支援の中で行われた。その結果、全国各地の国営および協同農場で増産の成果があった。 金正日総書記が先軍時代のモデル農場に推した沙里院市眉谷、龍川郡新岩、泰川郡銀興、載寧郡三支江、咸州郡東峰の5つの農場が互いに競争し、不利な天候の条件にもかかわらず科学技術的な農業を営み、穀物生産計画を超過達成した。 また各地の農場でも、先進の営農技術と営農方法を積極的に取り入れるための作業を力強く推し進めた。例えば速成苗、栄養冷床苗、大苗をはじめとする経済的に効果の高い育苗法を多く取り入れ、化学肥料の効果を最大限に高めた。
−農業生産の科学化、近代化の現在の水準は?
有機農法と循環リサイクル式生産システムの導入と効果について指摘しておきたい。 タニシによる有機農法を積極的に受け入れ、殺草剤を使わなくも除草率をはるかに高めることができた。また、土壌の地力を改善して営農物資を少なく使いながらも、1fあたりの穀物収穫高を高める成果を収めることもできた。 泰川郡銀興里、咸州郡東峰里など各地の国営および協同農場で循環リサイクル式生産システムを確立するための作業が推し進められた。その結果、畜産施設から出る液体肥を田畑にまいて穀物を増収し、増収された穀物で畜産飼料を確保するなど、農畜産物生産の改善を図った。年間を通じて全国の主要穀類生産地に有能な農業科学者を派遣し、農業生産の科学化、近代化を積極的に推し進めるための活動を力強く進め、科学農業発展の土台を築いた。 −新年にはどのような事業が展開されるのか。 強盛大国の大門を開く2012年を1年後に控えた今年は、非常に重要な年である。わが農業部門では食料問題を円満に解決し、金日成主席生誕100周年を迎える目標を立てている。 農業増産の担保はこれまでと同じように種子改良方針、二毛作農業方針、ジャガイモ栽培方針、大豆農業方針を含む党の農業革命方針をさらに徹底的に貫徹することにある。適期適作、適地適作の原則で多収穫品種の栽培面積を最大に増やすことによって、穀物収穫高を決定的に高めることに最大の力を注ぐ。 また、田稲栽培で速成苗、栄養冷床苗、大苗栽培をはじめとする先進的な営農技術を積極的に取り入れ、農産と畜産を結合させた循環式生産システムを確立し、タニシによる有機農法を広く導入する事業を引き続き力強く推し進める。これとともに全国のすべての協同農場にコンピューターネットワークを構築し、先進営農技術と営農方法を随時生産現場に一般化して科学農業のレベルアップをはかることを目標としている。 【平壌支局】 [朝鮮新報 2011.1.12] |