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現地で見た電力事情 ライトアップされた平壌

夜の平壌市内

 各地の朝青世代の活動家たちで構成された「セセデイルクン代表団」(昨年11月11日〜12月11日)の一員として祖国を訪問し、新たな「発見」をした。

 たとえば、近ごろの平壌市内(中心部)は夜も明るい。数年前に比べ、電力事情が大きく改善されている。あちこちに電飾が施され、信号や電光掲示板などの数も増えた。チュチェ思想塔と凱旋門はライトアップされ、深夜でもその姿を確認することができる。平壌ホテルの向かいにある平壌大劇場の照明は明け方まで灯されているとホテルのスタッフは話す。

 1990年代後半に「苦難の行軍」と呼ばれた経済的試練の時期があった。平壌の電力事情は悪く、ひんぱんに停電が起きていた。朝鮮半島の衛星写真を示して「南北の明暗」について報じる日本のテレビ局もあった。あれから十数年が経った今も、周辺諸国に比べると決して明るいとは言いがたいかもしれない。平壌市郊外では、停電や24時間きちんとお湯が出ない所もしばしば見受けられる。

 しかし、徐々に改善されている。

 たとえば、昨年に新しく建てられた芸術家専用のマンションなどでは、ほぼ停電がない。室内の床下にはオンドル(床暖房)が敷かれていて、極寒の冬でも暖かい。熱いお湯も常に出る。マンションの住人は、「電気が絶えることがないので、冬でも室内が暖かく、外が寒いのかどうかもわからない」と話す。

凱旋青年公園のナイト遊園地

 昨年オープンした凱旋青年公園のナイト遊園地は、深夜まで営業している。零下を下回る冬こそ乗り物は動いていないが、夕刻になると毎日イルミネーションで光り輝く。

 小高い丘から平壌市内を見渡しても、「100万ドルの夜景」とまではいかないが、市内のそこかしこに灯がともされている。気のせいか夜空の星が目立たない。

 現在、平壌では主に平壌・東平壌・北倉火力発電所(平安南道)から電力が供給されている。数年前に比べ、電力の生産率を上げるための技術改良が進んだという。

 これに加え、現在、建設中の熙川発電所(滋江道)が2012年に完工する予定だ。大規模な1、2号発電所と周辺の中小発電所が完工すれば、総40万kwの電力が生産され、平壌の電力事情が基本的に解決されるという。

 平壌以外でも、昨年には礼成江2号発電所(黄海北道)や金野江軍民発電所(咸鏡南道)が竣工され、道内の電気事情を大きく変えた。

 また、江原道では、元山青年発電所に続き、元山軍民発電所が建設中だ。水力発電所は、初期投資が多くかかるが、建設を終えれば、火力や原子力の発電所よりも効率的だと言われている。

 電力増産によるエネルギー問題の解決は、経済強国を目指す朝鮮に大きな変化をもたらすだろう。各工場の稼働率が上がり、多くの製品が生産され、人々の生活もますます向上するはずだ。

 平壌の夜景を見ていて思った。2012年に開かれる強盛大国の大門に向かって突き進む祖国の展望は明るい。(裕)

[朝鮮新報 2011.1.12]