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〈続 おぎオンマの子育て日記-I-〉 仲間たち

イラスト:崔麗淳

 サンホがサッカー部の主将になった。

 初めての練習試合の前日、顔にけがをした。練習中にボールを追っていて、仲良しのソングンの顔とサンホの顔が激しくぶつかった。ソングンは口元に痛みが走り、サンホは頬に深い傷ができた。病院で洗浄、消毒し、処置の後、抗生物質を処方された。

 しかし、翌朝には運悪く傷が化膿し、顔が腫れて体も熱を持ってしまった。

 病院に走り、傷を開いて洗浄し抗生剤の点滴を受けた。それから毎日、病院に通った。4日目に熱が下がったので、病院の帰りに学校に寄った。

 担任とサッカー部の先生と話していると、トンムたちが集まってきた。しばらく歯の痛みが続いていたソングンも、心配そうな暗い表情でサンホに何か話している。傷口を洗浄した痛みが残っているサンホは、上手く口がきけなくて、手振りで心配するなと伝える。そこへ鉄壁のゴールキーパーのテチャンが来て、「ソングンのせいじゃない」と言い、サンホは満足げに頷いた。

 この間にサッカーの近畿大会があった。幼稚園から今まで、遠足や運動会、学芸会、マラソン大会など、イベント直前に体調を崩すことが本当に多かった。点滴を受けながら「いつも、タイミング悪いな」とサンホも思わずつぶやいた。

 少し遅れて会場へ行くと、チームは順調に勝ち進んでいた。

 「サンホの分まで頑張れ」と先生に励まされたソングンは、すべての試合で先制点を入れた。

 大会2日目は、突然の風雨と寒気の中で準決勝を戦った。圧倒的な力の差で名古屋に5得点を許してしまい、負けはしたが、最後まで誰もあきらめずに走り続けていた。サンホは傷の痛みも忘れて、ベンチで声を出し続けた。

 この春、赴任してきた先生は大敗した子どもたちを、「よく頑張った」と一人一人ハイタッチで迎えた。3位決定戦をPK戦で制し、銅メダルをもらった子どもたちの顔は、サンホも含めて誇らしげだった。

 サッカー部の6年生13人が互いを思いやり、全員が自分の持ち場で全力を尽くす姿が、心に残った。(李明玉)

[朝鮮新報 2011.5.6]