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生野初級創立20周年行事 子どもの笑顔絶えぬよう

 生野朝鮮初級学校創立20周年「学校と同胞たちの大フェスティバル」が4月24日、同校で行われ1400余人の児童、学父母、同胞、卒業生、日本人士および市民らが集った。行事では、記念式典、児童・園児らによる公演、祝賀宴が催され、大盛況だった。同校は、学父母や地域の同胞から日本市民まで多くの人たちの支えの中で20年の年輪を刻んできた。

地域が一丸となり

公演を披露する生野初級生徒たち

 同校では、創立20周年を輝かしいものにしようと、1年前に実行委員会を発足させ教職員、学父母、地域の活動家、同胞たちが一丸となり準備に取り組んできた。チャリティーゴルフやバザー、芸術発表会などの年間行事に「20周年」のフレーズを掲げ、その利益をすべて記念事業に充ててきた。

 学区管下の生野南、生野東、中西、東阿の各支部では、それぞれ目標額を設定し基金活動に励んだ。また、各分会では一つの分会が一つの教室分の机と椅子を新しく提供する運動を展開し、地域の同胞たちに協力を広く呼びかけた。その他、保護者や日本市民らの支援により、実行委が掲げた目標額を108%も超える基金が集まった。

 校舎および園舎の修復、初級部の全教室の机と椅子の総入れ替え、スクールバスの購入、トイレの自動水洗化工事など学校環境の整備、拡充を行った。

 鄭敏河実行委員長は、児童たちがより楽しく学校生活を過ごせる環境を与えたいという一心で事業に取り組んできたと話しながら、「児童たちの公演を見ながら、子どもたちの笑顔が印象的だった。いつも子どもたちの笑いが絶えない学校を築いていかなければならない」と語った。

 この日、会場には同校オモニ会とアボジ会が用意した各種売店が並んだ。オモニ会では、150余人のオモニたちが快く出向き、下準備や当日の販売を行った。趙成華会長(44)は、役員をはじめとするオモニたちには、学校と子どもたちのためにという共通の思いがあるという。「同胞たちの中の学校、地域のみんなが愛着を持つような学校であるべきだと思う」。

子どもたちのため

喜びに包まれた会場

 大阪最大の在日同胞数を誇る生野区域。その一画に位置する生野初級は、同胞たちの活動拠点にもなっている。また、地域同胞の誰もが学校と子どもたちのためならば、与えて惜しいものはないと口を揃える。今も昔も変わらず、そこにはいつも同胞がいる。子どもたちの笑顔を守るためなら、どんな苦労もいとわない。

 創立当時、建設委員会のメンバーだった梁広佑さん(66)は、当時を振り返ってもしんどいことはなかったと快活に笑う。「一人ではなく、同胞みんなの力で建設事業に取り組んだから。同胞たちの力は偉大。地域同胞たちの支えがあって、組織があり学校がある」。

 この日、「お祝いの日だから」と、チマ・チョゴリに身を包み会場を訪れていた呉貞子さん(74、女性同盟生野東支部顧問)。「今日が楽しみで待ち遠しかった」という呉さんは、同支部が基金活動の一環として行った朝鮮風の味付けを施したイカの塩辛の製造と販売作業に一役買った。4回にわたり販売、計17万5千円の売り上げを寄付した。「子どもは国の王様。自分の子じゃなくても、みんながあの子もこの子も私の子どもという意識が高い」と、学校のために貢献できたことを心底喜んでいた。

区別ない教育環境を

 生野初級の事業運営では、地域の同胞だけでなく日本市民らの支持と協力も大きい。

 同校は、多くの日本市民たちに民族教育のすばらしさを広める、地域の国際交流事業の拠点としても重要な役割を果たしている。

 記念式典であいさつをした「チョソンハッキョを楽しく支える生野の会」代表の長崎由美子さんは、基金活動に参加し感謝状を授与された。

 「日本社会のいろいろな動きの中でみなさんが学校を支え続け運営していると思う。真実というものは決して輝きを失わない。児童たちの笑顔のために共にがんばっていきたい」

 朝倉秀実・大阪府議会議員は、議員を務めていた父の代から約30年間、朝鮮学校との交流があるという。授業参観や芸術発表会に足を運ぶ度、朝鮮学校のすばらしさを実感すると述べながら、「児童も教員もみんな熱心で、うらやましいほどの教育環境だと思う。子どもたちを育てるうえで、区別なく日本学校と同じ待遇で学べるよう応援していきたい」と語った。(姜裕香)

[朝鮮新報 2011.5.2]