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福岡初級と大阪朝高ラグビー部の触れ合い 楽しさ弾け、通い合う情

ベスト4でお祝いの色紙贈り、中央口演大会で漫才に取り上げ

楽しい時間を過ごし、笑顔で撮った記念写真

 福岡朝鮮初級学校に2月25日、「花文字」、新聞3部、3人分のストラップとタオルが届いた。大阪朝鮮高級学校ラグビー部から、同校初級部4年生の3人に送られたものだった。

 初級部4年の金成龍、金賢星君が同ラグビー部を題材にした漫才で2010学年度在日朝鮮学生中央口演大会の西日本大会に出演したことがきっかけ。

 そんな児童らへ、大阪朝高ラグビー部の呉英吉監督からの感謝の気持ちを込めたプレゼントが届いたのだ。しかし、大阪朝高ラグビー部と福岡初級の触れ合いはそれ以前からのものであった。

笑って遊んで

「いつもどんな練習をしてるんですか?」などと質問を投げかける児童(左)、お兄さんのたくましい腕にぶらさがってうれしそうに笑顔をこぼす

 昨年の1月、当時13人いた高学年児童たちが、「第89回全国高校ラグビーフットボール大会」でベスト4に輝いた同部員たちに、お祝いの色紙を贈ったのがそもそもの始まりだった。

 その幼い児童らのプレゼントに感激した部員たちは去年の4月30日、福岡の宗像グローバルアリーナで行われた遠征の日程を調節し、同校を訪れ約1時間の交流会を持った。

 全校生(1〜6学年)と部員たちの交流会の初めに行われたお話会で児童たちは、普段から気になっていた素朴な質問を積極的に投げかけた。

 「部活ではどんな練習をしているのか」「ベンチプレスは何キロまで挙げられるのか」などの質問に対し部員らは丁寧に、ユーモアを交えて答えながら児童たちの心を捉えていった。話が終わったあとも部員たちに駆け寄り、じゃれあったり腕上げをしてもらう姿はまるで本当の兄弟のようであった。

 その後みんなで運動場へ向かい、全校生34人対26人の部員のドッジボール大会が行われた。中には身長が180センチを超える生徒がいるラグビー部チームと幼い児童たちは、ともに楽しい時間を過ごした。

 交流会が終わった後、児童たちは部員たちにサインをもらったり、互いに「また会おう」と約束し、宿舎へと帰っていく大阪朝高ラグビー部を皆で見送った。

夢と希望を

漫才に出演した初級部4年生に贈られた「花文字」。他にも3人分のオリジナルタオル、キーホルダー、新聞がプレゼントされた

 初級部4年の担任・李大美教員は、今回の交流が児童たちに忘れられない思い出を刻んでくれたと話した。

 「ただ技術を学ぶだけではない。人として大切なものをウリハッキョの部活では学ぶことができるということを朝高生たちが教えてくれた」と話しながら、「遠く離れていても『ウリハッキョ』というだけでこんなにも情が通じ合う。地域の垣根を越えてつながる関係を結んでくれた呉監督に心から感謝している」と述べた。

 成龍君はそのときのことを振り返り、「写真で見ただけだと分からなかったけど、とても優しくて面白いお兄さんたちだった」と話した。また、賢星君と同級の高誠貴君は「すごく背が高くて迫力満点だった。ほんとに楽しかったよ」と笑顔をこぼした。

 同初級部の少年団指導員である石東星教員は、「努力をする重要性、ウリハッキョでも自分の夢を実現することができるということを児童たちは実体験を通じて感じることができたと思う」と、交流の意義を語った。

 大阪朝高ラグビー部の呉英吉監督は、「子どもたちの純粋な心と接することで初心に戻ることができたし、この子たちや同胞たちのために何ができるのか、今一度考えさせられた。将来、サッカー、バスケなど、どのスポーツをやるにしても、ウリハッキョの名を馳せ、地域同胞社会の活性化のために活躍してもらいたい。この交流が少しでも役立ったとすればこれ以上うれしいことはない」と思いを語った。(尹梨奈)

[朝鮮新報 2011.3.24]