top_rogo.gif (16396 bytes)

朝鮮大学校第53回卒業式 感謝を胸に新たな旅立ち

希望と抱負を胸に卒業式を迎えた卒業生たち

 朝鮮大学校(東京都小平市)第53回卒業式が10日、同校で行われた。総連中央の許宗萬責任副議長、「益柱副議長兼民族圏委員会委員長、同校の張炳泰学長、教職員、学父母、在校生たちが参加し、卒業生たちの新しい門出を祝った。

 式ではまず、朝鮮民主主義人民共和国教育委員会から送られてきた祝電を「益柱副議長が紹介した。続いて、許宗萬責任副議長が祝賀のあいさつを述べた。張炳泰学長が学事報告を行ったあと、卒業生たちに卒業証書が手渡された。また、朝鮮教育委員会賞や論文賞などの各賞が授与された。式が終了したあと、卒業生たちによる公演が行われ、その後、食堂で祝賀宴が開かれた。

 経営学部を卒業した宋成一さんは静岡出身。同胞たちの経済状況を改善したい思いを胸に、卒業後はイオ信用組合で働くことが決まっている。「最近、静岡出身の朝大卒業生が少ないが、2012年を目指して47都道府県の中で静岡が一番輝くよう、朝青活動にも積極的に参加していきたい」と決意を新たにした。

 体育学部の崔準基さんはサッカー選手になる夢を抱いて大学の門をくぐったが、4年間を通じて、民族教育における体育教育の重要性に気づいたという。「昨年行われた教育実習を通じて、民族教育を守りさらに発展させていきたいと強く思った。卒業後は母校の北海道朝鮮初中高級学校の教員になるが、今までもらってきた多くの愛を同胞、児童、生徒たちに返していきたい。そして、在日同胞社会の力になれるような人材を育てていけたら」と思いを語った。

 経営学部の李智香さんは昨年8月に税理士試験を受け、2科目同時に合格した。4年間積み上げた知識を持って、卒業後は東京管下の商工会へ。「今日まで16年間多くの人たちに支えられ、何の心配もなく勉学に励むことができた。感謝の気持ちを忘れず同胞社会に貢献していきたい」と語った。

 外国語学部の朴政樹さんは、今日まで女手一つで兄弟3人を育ててくれたオモニ、李香徳さんへの思いを手紙につづり、祝賀宴の場で読み上げた。高級部1年の途中で学校をやめ、また翌年、再入学してから大学卒業まで、1学年下の同級生たちと共に歩んできた。

 「厳しい試練を目の当たりにし、くじけそうになるときも常に支えてくれたオモニがいたから今日こうして卒業することができた。朝大で勉強し、サッカーをしたいという私の願いを叶えてくれるため、朝から晩まで懸命に働いてくれたオモニ。その苦労を考えたら自分の悩みがどれほどちっぽけなものだったか気づかされると同時に、今は感謝の気持ちでいっぱいだ。これからは自分が大切な家族を支え、地元である神戸朝鮮高級学校の教員として民族教育を守っていきたい」と涙ながらに話した。

 李香徳さんは、「自分が経験したこと、4年間で得たことすべてを生かして神戸朝高で奮闘してくれれば、それ以上望むことはない」と感慨深く話した。(取材班)

[朝鮮新報 2011.3.24]