「高校無償化」 北九州市民集会 年度内に適用を! |
「朝鮮学校にも差別なく年度内に『高校無償化』適用を!−3.4北九州市民集会−」が4日、北九州市立男女共同参画センターで開かれ、同胞と日本市民ら約60人が参加した。 集会では、朝鮮学校の生徒と保護者、日本市民らが発言した後、決議文が採択された。 集会ではまず、主催者を代表して「在日外国人への差別を許さない北九州市民会議」の内岡貞雄代表があいさつをした。内岡代表は、朝鮮高級学校が卒業式を行う時期になっても「無償化」を実現できていない現状を指摘し、「今回の問題は、ただの差別と見るのではなく、日本人の在日朝鮮人に対する歴史的流れの中での差別と考えるべき。政府が弾圧をするならば、われわれ市民たちが一致団結し、『無償化』を実現させよう」と述べた。 つづいて、集会参加者たちが発言をした。九州朝鮮中高級学校の金弥祐さん(当時高3)は、12年間、民族教育を受ける過程で、朝鮮人としてのアイデンティティーを確立し、大切な仲間と出会えたことに触れながら、日本政府のあいまいな立場と定まらない判断に振り回されながらも、朝高生たちは1年間、「無償化」制度適用のために絶え間なく活動を行ってきたと述べた。
「罪のない朝鮮高校生は、希望を踏みにじられ、無力さに嘆き、差別を実感した。今まで生きてきて一番悔しい思いをした」
金さんは、過去に1、2世の同胞たちがたたかいを通じて多くの権利を獲得したように、今回は自分たちの力で後輩たちのために、あきらめずに「無償化」の権利を獲得したいと語った。 同校オモニ会代表の白芳枝さんは、「自分の子どもたち、そして『在日』の子どもたちを朝鮮人として育てていきたい。そのために朝鮮学校は、絶対必要である」と訴えながら、教育の権利は誰にも邪魔できず、共に手を取り合い「無償化」の権利を勝ち取ろうと呼びかけた。 「朝鮮学校を支える会」の瑞木実事務局長は、どの国、人種でも、生徒たちの間に垣根があってはならないが、日本は「無償化」からの朝鮮学校除外という垣根を新たに作り、差別を生み出そうとしていると指摘。「自分の民族、文化を守るために民族教育はとても重要である」と語った。 日朝学術教育交流協会の中村元気会長も集会に駆けつけた。 中村会長は、一部の日本人は在日朝鮮人に対する理解に乏しく、そのような人が教師になり、子どもたちに教えることで新たな差別が作られていってはならないと指摘しながら、「声を大にしてこれからも一緒にがんばっていこう」と呼びかけた。 集会では、決議文が採択された。決議文は、▼「高校無償化」手続き停止に怒りをもって抗議▼朝鮮高校に「高校無償化」即時適用を要求▼差別の歴史を断ち切り、朝鮮学校への権利を保障することが盛り込まれた。【福岡支局】 [朝鮮新報 2011.3.15] |