横浜、南武初級と青木小の合同社会見学 18年目の交流、広がる地域の輪 |
学ぶ喜び共有し、心触れ合う
横浜朝鮮初級学校、南武朝鮮初級学校と横浜市立青木小学校(神奈川県横浜市)の6年生が2月22日、交流の一環で国立科学博物館(東京・上野)と国会議事堂などを社会見学した。 午前8時半に青木小学校へ集合した124人の児童と教員たちは、観光バスに同乗し国立科学博物館へと向かった。 青木小とウリハッキョの合同で6人一組みのチームを作り、ワークシートを解きながら館内を回った。 館内は大きく日本館と地球館に分かれている。地球館で児童たちは、大きな恐竜の模型や電子パネルに写る40億年も前に誕生した生命など、あらゆる展示物を見て回った。 中でも好評だったのは、地球館の「たんけん広場」だった。音、光、電気、磁気、力など、身の回りで起こっている物理現象を体感し実験できるコーナーで、目の前で起きる不思議な現象にみな目を輝かせていた。
久しぶりの再会に初めは少しとまどっていた児童たちも、共に行動し、知る喜びを共有する過程で、おのずと心の距離が近づいていった。
昼食を済ませ、午後は国会議事堂へと移動。静かだった行きのバスがウソだったかのように、移動の車中はにぎわっていた。隣に座った友だちに、「ハナ、トゥル、セは日本語の一、二、三だよ」と教える姿も見られ、互いに会話を弾ませながら移動中も交流を深めていった。 衆議院参加者ホールから解説員と共に入った一行は、中央広間、衆議院玄関、衆議院本会議場などを観覧し、最後は国会議事堂を背に記念写真を撮った。 ウリハッキョの児童たちは今回の社会見学を通じて、日本の児童らとともに楽しいひと時を過ごした。「日本の友だちと一緒に社会見学をできて楽しかった」「科学博物館で、いろんな動物の生態を知ることができた」「テレビでしか見たことのない国会議事堂の中を直接見ることができてよかった」と感想を残した。 今回初めて参加した南武初級。同校の姜珠淑教員は、「8人という南武の児童たちが大勢の輪の中に入れるか心配だったが、卒業前に日本の子どもたちと交流できてよかったと思う。今回の交流がこれからの人生の糧になればいい」と話した。
年間行事へと拡大
横浜初級と青木小の交流は今年で18年目となった。 約20年前、しょっちゅうケンカをしていた両校の児童たちを見た青木小のある教員が交流会を提案したことがきっかけだった。 その後、交流は青木小を含む周辺の日本学校まで拡大した。「ウホウホ(友好)サッカー大会」や球技大会、書芸、美術作品を各学校に回しながら展示する「ぐるぐる展」、運動会や学芸会でも互いに友情出演するなど、今となっては年間行事へと発展している。 また、同校アボジ会、オモニ会と青木小の保護者の会で焼肉パーティーを開いたり、授業参観、バザーにも積極的に参加している。 ウリハッキョの父母たちも「日本の子どもたちの交流が、これから日本で暮らしていくウリハッキョの生徒たちにとっていい経験になると思う」とその重要性を実感している。 横浜初級の成明美教員は、「日本社会で生きていくためには、日本市民との関わり合いがとても重要である。その意味でもこの交流の意義は大きい。子どもたちが、日本の子どもたちとのコミュニケーションを取ることで自分自身を知り、それを発信する力を持てるようこれからも教育に力を注いでいきたい」と述べた。(尹梨奈) [朝鮮新報 2011.3.15] |