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4月に発足10年目 「TUTTIふれあいフェスタ」

「マダン」をつくっていこう

TUTTIメンバーと朝大生ボランティアが手と手をつなぎイベントを楽しんでいた。

 4月に発足10年目を迎える在日同胞福祉連絡会の同胞障がい者音楽サークル《TUTTI》が2月27日、東京朝鮮中高級学校で《TUTTIふれあいフェスタ》を催し、同胞障がい者とその家族、朝鮮大学校学生ボランティア、同胞など80余人が参加した。フェスタには、総連中央の朴久好副議長兼権利福祉委員会委員長と総連東京都本部の活動家、東京都青商会の会員らも同席した。

 今回のイベントは、2010年度活動の締めくくりとして企画され、同胞たちの中で障がいに対する理解を深め、同胞障がい者支援活動を地域同胞社会により広げていく契機とするため行われた。

 フェスタでは、TUTTIに参加している同胞障がい者のメンバーが自己紹介をしたあと、プク、チャンゴなどの民族打楽器を使った音当てゲームやクイズ大会、歌と手話を織り交ぜたリトミック、ケーキコンテストなど、ボランティアたちがメンバーとともに準備した交流企画を参加者と一緒に楽しんだ。そして月一度の練習や昨年11月に行った合宿などで磨いてきたダンスやハンドベル演奏などの小公演を披露。朝大生も活動を通じ感じてきたことなどを手紙に綴った。エンディングではメンバーとボランティアがともに「TUTTIの歌」を合唱。明るい同胞社会をともに手をつなぎ、切り開いていく気持ちを表現した。

 東京都青商会では、数年前からTUTTIのメンバーとふれあう機会を増やすため、イベントに参加するなど連携を深めている。この日初めてTUTTIの行事に参加した洪賢基さん(38、江戸川地域青商会副幹事長)は、体が不自由な同胞青年と朝大生が元気に明るく歌う姿を見て元気が出たと述べながら、普段着の交流をするためにも、まず知ることから始めたいと語り、朝大生にはすばらしい経験を今後もぜひ生かしてもらいたいとエールを送った。

 在日同胞福祉連絡会の申桃順副代表(48、障がいのある同胞の家族の会「ムジゲ会」会長)は、朝大生のボランティア活動に謝意を表し、これからも社会で障がい者に歩みよれる優しい大人になってもらいたいと3月に卒業する学生らに向け語った。また、約10年間のTUTTI活動が着実に同胞社会で実績を残していると指摘。同胞障がい者が同胞社会で注目されるようになったのも、民族教育の最高学府である朝大の学生らが自覚をもってアプローチしてくれたからだと感慨深く語った。

 ボランティア活動には、朝大の教育学部、政治経済学部、文学歴史学部などの学生らが多く参加している。3月に卒業式を迎える朝大生ボランティアの責任者である李美奈さん(教育学部3年)は、活動を通じて助け合い、互いが学びあうという哲学がとても大切であり、障がいとの「向き合い方」を学ぶことができたという。「同胞障がい者が、同胞社会の拠点である支部や学校にもっと参加できるようにしていきたい。そのような『マダン』を同胞障がい者や家族は求めている。朝大で『TUTTIの発信者』として培った力を、卒業後地元でぜひ発揮していきたい」と今後の抱負を語った。(李東浩)

[朝鮮新報 2011.3.7]