2010学年度 在日本朝鮮学生中央口演大会 |
ウリマルの大切さを表現 在日本朝鮮学生中央口演大会が11日に西日本(大阪・池田市民文化会館)、13日に東日本(東京朝鮮中高級学校)で開かれた。東日本大会には、北海道、茨城、神奈川、東京朝高学区と静岡初中の24校から371人、西日本大会には、愛知、京都、大阪、兵庫、広島、九州朝高学区内の32校から356人が参加した。大会では、朝鮮語の朗読、詩の朗読(中・高級部)、芸術宣伝、チェダム(漫才)、演劇、「お話」(初級部)、スピーチと英語暗誦、英語スピーチ(各中級部)ごとに審査が行われた。大会では、優秀作品発表会も行われ、講評と成績が発表された。 東日本大会 東日本大会の開会式では、総連東京都本部の康景翊教育部長があいさつをした。同氏はこれまで同胞たちが守ってきたウリマルは、ウリハッキョ、民族教育において最も重要な位置を占めていることを強調し、「今大会は競争の場ではあるが、ウリマルを愛し守っていく心を育てる場、これからもウリマルを学び話していこうという決意の場でもある」と指摘した。 大会では、今年が中等教育実施65周年であることを強調した作品が目立っていた。芸術宣伝部門では、1世の受難の歴史を心に刻み、同胞社会を自分たちの力でさらに輝かせ、守っていこうという決意がこめられた作品が数多く披露された。 また、身近な生活の中で感じたことや祖国への思い、「高校無償化」除外反対活動を通した体験などをテーマにした作品も、観客たちに感動を与えた。 審査委員たちは、すべての学校で基礎発音練習に力を注ぎ、各校のレベルの差がほぼなくなってきたと評価し、これからも多くの児童・生徒たちが口演大会に参加するよう呼びかけた。 南武朝鮮初級学校は、芸術宣伝部門に「学校を中心に」という作品で出場した。ある在校児童のハラボジが朝鮮新報宛に投稿した「同胞社会を守るためには、民族教育を守らなくてはならない」という文を素材にしたものだった。近年、同大会で好成績を上げている同校では、日頃の国語教育の成果を確認する場となっており、今年もこの作品で金賞に輝いた。 初級部5年の担任を務める尹春花教員は、「民族教育において欠かせないウリマル教育を通じ、ウリマルを愛し守っていく民族の心を育てていきたい」と話した。 神奈川朝鮮中高級学校では、日本の学校に通う同胞生徒を探し出し、同じく朝鮮半島にルーツを持つ若者として手を取り合っていこうと呼びかける、「友だち探し運動」をテーマにした作品が披露された。出演者の金穂実さん(中1)は、「この運動を通じて、同胞たちが作り上げた民族教育のすばらしさを実感した。『高校無償化』問題などの社会活動を通じて、ウリハッキョのために役立てるよう頑張りたい」と思いを語った。
西日本大会
西日本大会の優秀作品発表会では7作品が披露された。チェダム「별(星)」で金賞を受賞した大阪朝鮮第4初級学校の金基孝、呉嶺太(初6)、高太佑(初4)さんは、巧みな朝鮮語と小気味いい話術で会場を笑いの渦に巻き込んだ。朝鮮語スピーチで金賞を受賞した京都朝鮮中高級学校の黄裕伊さん(中3)は、母校が右翼団体の襲撃に遭った事件を取り上げ、学校を守り輝かせる人になりたいと熱い思いを述べると、聴衆に感動が広がった。 閉会式では、朝鮮語の朗読、詩朗誦でとくに高級部生徒たちの発音技術が高まったこと、芸術宣伝やスピーチで民族教育、権利問題などに関するメッセージ性の強い作品が多かったことなどが評価された。一方、感情表現に力が入るあまり、発音がおろそかになってはいけないとの指摘もあった。また、英語部門では九州朝鮮中高級学校生徒たちの活躍により、学校間のレベルの差が埋まったと指摘された。 芸術宣伝で金賞を受賞した神戸朝鮮高級学校は、「高校無償化」適用をめぐる差別のなかでも笑顔を忘れず楽しく学校生活を送り、朝鮮学生としての誇りを抱きたたかう朝高生の思いを表現した。 東大阪朝鮮中級学校の演劇も「高校無償化」問題を主題にした。炎天下の街頭での署名集めをめぐるクラス内の葛藤と、日本女性が率先して署名を集めてくれたことをきっかけにクラスが一つになる様子を表現した。 朝鮮語の「お話」に出場した京都朝鮮第3初級学校の尹香穂さん、岡山朝鮮初中級学校の李紗奈さんは「大好きな朝鮮舞踊」を通して学んだことを滑らかな朝鮮語で表現し、ともに金賞を受賞した。 [朝鮮新報 2011.2.23] |