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高校無償化」 北海道で集会 即時適用を


集会には、同胞、日本市民、関係者ら約50人が参加した

 文科省が4日、東京朝鮮学園が行った朝鮮学校の「高校無償化」適用申請手続き再開を求める異議申立て(17日)を退けた問題で、年度末がせまる現在、各地で即時適用を求める声がいっそう高まっている。

 2月9日、「朝鮮学校の授業料無償化手続きを即時再開し、就学支援金の年度内支給を要求する集会」(主催=北海道朝鮮学校を支える会)が北海道立道民活動センターかでる2・7で行われ、同胞、日本市民、朝鮮学校生徒らと保護者、関係者らが参加した。集会では、「無償化」問題をとりまく現状と、これまでの活動の報告が行われたほか、参加者による発言もあった。

 経過報告を行った、鈴木芳雄事務局長は北海道議会本会で採択された「朝鮮学校の高校授業料無償化に関する意見書」(昨年12月9日)の内容について言及し、「朝鮮西海での砲撃事件を連動させる政治的意図がはっきり現れており、何の罪もない朝鮮学校の生徒、保護者らを深く傷つける卑劣極まりない代物」と述べた。鈴木事務局長はまた、「無償化の問題は、在日朝鮮人の問題ではなく、私たち日本人の人権意識が問われる問題」と朝鮮学校への適用を強く訴えた。

 集会ではまた、北海道初中高の教員、生徒らも発言した。

 洪允澤さん(高2)は、「日本政府が4日、砲撃事件を理由に申請審査再開の意思がないことを表明したことに対し、あきれ返っているし、憤りも感じている。この間、街頭宣伝や署名活動を先頭で引っぱってきた高3の先輩たちを思うと本当にやりきれない。先輩たちと朝鮮学校、在日朝鮮人の未来のためにも権利を獲得するまで闘っていく」と話した。

 また、洪成華さん(高1)は「朝鮮学校に通うため、函館の実家を離れ寄宿舎で生活している。それは、親元を離れてまで民族教育を受けさせ立派な朝鮮人として育っていってほしいという両親の願いと、これまで権利獲得を勝ち取ってきた1世、2世の思いがあるから。朝鮮人として生きることがそれほど罪なことなのか」と怒りと悲しみを語った。

 金有燮教務部長は、「(生徒数の減少により)朝鮮学校はいま、危機的状況にある。日本当局の狙いは、同化政策にあるのだと思うが、生徒たちは社会構造の本質をしっかりと見ている。一方で、支持声援を送ってくれる日本の人々の姿も忘れないだろう。本当に大事なのは、無償化になった後の日本市民の差別意識がどのように変化するかではないだろうか」と話した。

 集会ではまた、古賀清敬共同代表が「朝鮮学校の無償化と日本社会」というテーマで講義を行ったほか、参加者らによる意見交換なども行われた。

 この日、参加者らは、朝鮮学校の授業料無償化手続きを即時再開し、就学支援金の年度内支給に向け最後まで闘っていく決意新たにした。

[朝鮮新報 2011.2.14]