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東日本大震災 京都の同胞が石巻でボランティア

「困っているから助ける」

ショベルカーを運転する朴昌樹さん

 京都で建築業を営む朴昌樹さん(43、伏見在住、京都府青商会前副会長)は先日、従業員と共に、宮城県石巻市に自社のショベルカーとダンプカーを持ち込み、地震と津波で大きな被害を負った商店街で、がれきの撤去や清掃などのボランティア活動を行った。

 「困っている人がいるから助ける。その気持ちだけ。自分の仕事が必ず役立つと思った」

 京都から15時間かけて現場に向かい、被害の深刻さを自分の目で確かめた。そして、早朝に到着すると、一睡もしないまますぐに作業に取り掛かった。

 「どこから来たの?」

 「京都の青商会です」

 初めはさすがに戸惑っていた被災地の住民も、朴さんらの熱意に打たれ、すぐに打ち解けた。

 「日本に住む者同士、共存共栄したい」

 そうした熱い心意気が住民や他のボランティアの心を掴み、信頼も得た。そして、みんなで力を合わせて泥をかき出し、がれきを取り除いた。

 朴さんに食料を差し入れし、宿泊場所の提供を申し出た住民もいたという。しかし、朴さんらは被災地に迷惑をかけまいと、予約していた宿で1週間生活した。

 「被災地にこれ以上ゴミを持ち込んではいけない。全国から送られた支援物資もゴミを生むことを忘れてはならない」

 自分の目で確かめたからこそ気付いたことだった。

 被災地では、命からがら逃げ切った人たちの生々しい話も聞いた。

 「家族や家屋を失っても前向きに生きている姿に心を打たれた。これからまた良い街を作ってほしい。そして、必ずもう一度訪れたい」

 石巻の人々と心を通じ合わせ、大きな力を得たという。(泰)

[朝鮮新報 2011.5.16]