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国際感覚身につけた子どもに

 先月、東京朝鮮第2初級学校新校舎が竣工された。同校近辺に住むある同胞男性は、「さまざまな人々に支えられ誕生した学校」と喜ぶ。同校の再建が決まった直後から、大規模な同胞募金運動が展開され、多額の寄付金が寄せられた。

 また、日本市民はじめ南朝鮮の支援者らも支援を惜しまなかった。2003年に同校の土地問題をめぐり東京都が不当に起こした「枝川裁判」を機に、日本市民、南朝鮮の支援者から大きな関心が寄せられ、内外に支援の輪が広がっていった。

 学校側もまた、こうした支援を民族教育への理解の好機と捉え、支援者らと友好を深めてきた。

 学校関係者や地域同胞の友好意識は、生徒たちにも浸透している。ある児童は「東京第2は1世や、アボジ、オモニが大変な思いをして建ててくれた学校。裁判闘争で日本の市民や南朝鮮の人々がたくさん協力してくれたことも聞いている。力を合わせて、こんなに立派な学校を建ててくれたことに感謝している」と話していた。卒業生を含む子どもたちの多くが、一世の歩んできた苦難の歴史を認識しつつ、こうした変化する日本社会の姿を捉えている。

 「在日朝鮮人として、日本社会で生きていく国際感覚を子どもながらに身につけている」と指摘する日本人関係者も少なくない。

 政府による朝鮮学校への「無償化」除外や補助金打ち切りなどあからさまな差別行為が根強い日本社会で、隣人の温かいまなざしの中で成長するこうした子どもたちの未来を見守っていきたい。(周)

[朝鮮新報 2011.5.9]