神奈川県強制連行調査団、総会と講演会 |
「正しい歴史伝えるために」
神奈川県朝鮮人強制連行真相調査団の2011年度総会と同調査団主催の講演会「朝鮮半島と日本の平和のために−101年目の韓国合併条約−」が16日、横浜市開港記念会館で行われた。 神奈川県朝鮮人強制連行真相調査団の活動は今年で20年目を迎える。 冒頭、横浜平和人権センターの工藤定次事務局長のと総連中央国際局の李泰栄副局長があいさつした。 李泰栄副局長は、「20年ものあいだ朝・日関係改善のため県の内外で勉強会や学習会、そして真相究明のための調査をしてきた調査団の皆さんに敬意を表する。大震災による被害が甚大だが、私たちも朝・日親善の精神に沿って誠意を持って支援事業に取り組んでいる。今後も日本の方々と堅く手を取り合ってがんばっていきたい」と話した。 1部の総会では日本人側代表原田章弘事務局長が2010年度の総括報告を行った。 報告によると、2010年度は朝鮮人強制連行と強制労働の事実を市民に知らせること、証言収集と資料収集、地下壕案内と保存活動、会員活動を柱として活動してきた。2010年度の活動では特に、依頼があった団体に対する地下壕の案内活動と地下壕保存のための行政への申し入れに力を注いだ。 また総会では2011年度における活動計画案について討議した。 2011年度には「強制連行調査研究」として、現地確認・文献調査・証言収集に基づく着実な活動を行うこと、国交省が公表した「特殊地下壕実態調査」に基づく強制連行調査、朝鮮半島北部から連行された被害者および遺族の証言収集を行う。 また「在日朝鮮人歴史・人権月間」の開催都道府県の拡大と、在日朝鮮人の人権擁護運動の長期継続的な展開が重要な課題として示された。 2011年度には朝・日国交正常化と友好親善を促進するための事業に積極的に参加し、一昨年から横浜市教育委員会で議論になっている歴史教科書の採択をめぐる問題についても取り組んでいく。 2部の講演会では、雑誌「日韓分析」編集長の北川広和氏が、「朝鮮半島と日本の平和のために−101年目の韓国併合条約−」と題した講演を行った。 北川氏は講演のまとめで、朝鮮学校への「無償化」適用問題に触れ、「朝鮮学校を窓口として朝鮮との相互理解を深めることが大事である。国交正常化が先で『高校無償化』が実現されるのではない。むしろその逆である」と指摘した。 閉会のあいさつで原田事務局長は、「歴史は正しく伝えるということが大事。これからも私たちは地道な作業を続けていく。がんばっていきたい」と述べた。(炯) [朝鮮新報 2011.4.25] |