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親たちの充実した「学校生活」

 ある朝鮮初級学校の卒業式を取材した。他の学校と比べ明らかに狭い2つの教室をつないだだけの式場には、卒業生と保護者、教員、在学生らが膝をぶつけ合うほどの近さで座っていた。卒業生のオモニたちは、チマチョゴリを着ていた。

 卒業生たちは一人ひとりマイクを握り、学校や教員、後輩、そしてアボジ、オモニたちに、自分の言葉で感謝を述べた。

 「ウリハッキョに送ってくれてありがとう」

 親にとっては、その一言で十分だった。こらえていた涙があふれ出した。

 ひと時を共にしただけだったが、子どもたちが大人たちの愛情をたっぷり受け充実した学校生活を送り、すくすくと育ってきた様子を伺い知ることができた。

 「子どもたちが自然と感謝の言葉を口にするところを見ると、やっぱりうちのハッキョはすごい。教員に感謝する」

 学校自慢も大げさではない。和やかな謝恩会の雰囲気がそれを物語っていた。

 恒例の焼肉。網の上に肉が置かれた頃、主役の座はすっかりオモニたちに移っていた。歌にもある。「オンマが笑えば花も咲く」。笑いと涙、感謝が行き交った。

 学父母たちは、財政支援や学校の清掃、イベントなど毎月、毎週のように顔を合わせ、学校のために必死になって活動してきた。教員との距離も近い。一家族のようであり、一クラスのようでもある。

 「もうこのメンバーとこのハッキョで会えなくなると思うとさびしい」

 絶え間ない泣き笑いの連鎖は、親たちもまた、充実した「学校生活」を送ったことの証だ。(泰)

[朝鮮新報 2011.3.28]