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熊本朝鮮会館 再建の喜びに沸く

同胞と日朝交流の場を守っていこう

 熊本市の総連熊本朝鮮会館の竣工式が20日、同本部会議室で行われた。参加者たちは、同胞の生活拠点である本部事務所が再建されたことを喜び、これからも熊本同胞社会の活性化に向けて奮闘していこうと決意を新たにした。

次世代への「財産」

新しく建てられた熊本朝鮮会館

 旧朝鮮会館は1971年5月に建てられた4階建ての同本部には熊本支部、女性同盟、県商工会、協同組合などの機関が入り、約10人の専従活動家が働いていた。

 本部会館では毎年元旦に行われる年初学習、祝賀会に始まり、年間を通じてさまざまな行事が行われてきた。同胞たちだけでなく、日朝交流の場として多くの人々が集まっていた。

 40年の歳月が流れた。同胞社会でも世代交代が進み、総連を取り巻く環境は変わった。竣工当時、熊本市内では一番立派だと言われた建物の老朽化も進んだ。そうして8年前、同会館の再建問題が浮上した。

 建設にあたり一部では、「新会館建設は難しいのではないか」「同胞数が少ない中で維持するのが困難」との消極的な意見もあった。

 そうした中で、もう一度かつての同胞社会の活気を取り戻そうと活動家たちが奔走した。時代が変わり、70年代当時とまったく同じというわけにはいかなくても、同胞たちが集まって笑い合うにぎやかな雰囲気をもう一度取り戻そうと訴えていった。

再建の喜びを分かち合う参加者たち

 「厳しい現状に屈せず新しい未来を見つめることが重要であり、何よりも同胞たちが集まる場と日朝交流の場をなくしてはならない」と、建設委員会と同胞商工人で資金集めに奮闘した。

 新会館は以前と同じ場所に、1階建てのプレハブ形式で建てられた。

 女性同盟熊本支部の金恭子顧問は、新会館の建設に心から喜びを表した。「どんなときでも同胞たちが定期的に集まる場は必要。駐車場も館内もきれいになって本当にうれしい。お茶飲んで話すだけでもいい。もっといろんな人が集まって本部が活気づいていけるよう尽力していきたい」と述べた。

 また、同会館の土地問題に関し以前から協力してくれた日本市民もこの日、竣工式に参加した。

 「熊本朝鮮会館問題を考える市民の会」の永好和夫さんは、「これからも互いに仲良く手を取り合いながら真の隣人関係を結んでいきたい。日本人の誤った歴史認識をただし、日朝友好、東アジアの平和に向けて精力的に活動していきたい」と力を込めて話した。

 総連本部の金末幸委員長は、新会館建設について「感無量だ。新築されることによって同胞たちが以前よりも利用しやすくなったと思う。3世、4世への『財産』を残すことができた。一人でも多くの同胞が集まり、熊本本部が活気にあふれるようがんばっていきたい」と話した。(尹梨奈)

[朝鮮新報 2011.3.28]