東日本大震災 総連医療団、被災地で診察 |
東北初中周辺の同胞高齢者を訪ね
総連の医療団が総連中央緊急対策委員会の救援物資とともに、20日午後、総連緊急対策委員会宮城県本部が設置されている東北朝鮮初中級学校に到着した。 一行は、日本各地の同胞が大地震の救援活動に乗り出していると述べながら、ともにがんばって試練を乗り越えていこうと現地の関係者を激励した。 朝青宮城県本部の金成吉委員長(朝青東北委員会委員長)は、救援物資を現地に届けてくれたことに謝意を表し、「宮城と東北の新しい姿を見せられるようがんばりたい」と、力強く述べた。 この日、総連医療団は、学校に到着するや否や直ちに、寄宿舎で避難生活を送っている高齢の同胞を診察した。 安相助さん(79)は、大地震が発生したため、入院中だった病院から退去せざるを得なくなったが、余震が収まらないために自宅にも戻れず、東北初中に避難している。元々、14日に手術を受ける予定だった安さんは、手術を受けるために今も薬を飲んでいたが、同胞の医者の診察を受けることができて安堵の表情を浮かべた。妻の李正子さん(73)も、風を引いていたので助かったと述べた。 続いて医療団は、学校周辺に暮らすお年寄りの同胞の家を、女性同盟仙台支部の委員長と一緒に訪問した。 「こんな遠いところまで来てくれてありがたい」。震災後、緊急患者が増えたために、病院に通えなくなっていた金明道さん(83)と妻の朴正順さん(77)夫婦は、こう言って総連医療団の往診を歓迎した。 20日に、普段から服用している薬が切れたという李現末さん(80)は、総連医療団から薬を処方してもらえることをとても喜んだ。普段から肩が痛い、と訴える妻の禹末福さん(79)も診察を受けた。 医療団はまた、対策委員会宮城県本部のメンバーの健康診断も行った。 医師の金英宇さんは、「衛生上の問題はない。被災地であるにも拘らず、みんなが元気でがんばっているので一安心」と述べた。また、20日現在、水道の水も出ない非正常な生活が続く上に余震が止まらないせいで、お年寄りの同胞の血圧が全般的に高いとしながら、感染症を防ぐために手洗いをはじめ衛生面に気をつけて生活するようアドバイスした。 (李東浩) [朝鮮新報 2011.3.21] |