東日本大震災 総連医療団、被災地向け出発 |
現地で同胞らを健康診断
東日本大震災で被災した同胞たちの健康診断を行うため、総連医療団が20日午前9時に被災地に向け朝鮮会館(東京都千代田区)を出発した。また2tトラックに救援物資を 載せ、在日本朝鮮青年同盟と在日本朝鮮青年商工会の代表もともに発った。 一行を、総連中央の高徳羽副議長と朴久好副議長、監査委員長の洪仁欽委員長をはじめ会館職員たちが見送った。 医療団のメンバーは、在日本朝鮮人医学協会・東日本理事で医師の金英宇さん(53、消化器外科)と東京大学病院看護師の趙貞淑さん(51)。また趙さんの娘である申琴繍さん(22)が同行した。一行は東北朝鮮初中級学校で同胞たちを中心に、被災地住民の健康状態を診察する予定だ。 「総連中央緊急対策委員会」のメンバーは「被災地には高齢同胞たちも多い。よろしくお願いしたい」と述べた。 金さんは「今は(同胞たちの健康状態に関する)情報がない。現地に行って確かめたい。被災地の同胞は栄養が不足していると思う。真冬並みの寒さの中で凍傷になりやすく、また避難生活が長期化すれば、ビタミン不足も憂慮される」と指摘した。 また「私の兄は阪神淡路大震災の時に総連医療団として現地に入り、同胞たちを支援した。今度は自分の番だと志願した」と話しながら、「被災地では医師の数も足りないはず。彼らの助けになりたいと思う のは、同胞として当たり前だ」と話した。 一方、趙さんは東北朝鮮初中高(当時)の卒業生だ。「震災後、同級生たちの安否が確認できず、涙が止まらなかった。中央対策委員会から医療団結成の相談があり、何でも手助けしたいとすぐに応じた。大好きな東北初中と同胞のために、力になりたい」。 申さんは、中央対策委員会から母にかかってきた電話を隣で聞きながら、「自分も手伝い」と申し出たという。彼女は今月10日に朝鮮大学校外国語学部を卒業し、4月から都内朝鮮学校で教員として働き始める。「今年の冬休みに宮城の友達と東北初中を訪れた。大震災が起きてから、自分にも何かできないかと胸が痛かった。少しでも力になりたかった」と話した。 金さんは「これから第2陣、第3陣と、引き続き医療団を構成しなければならない」と、被災同胞の健康診断を継続して行っていく必要性を強調した。(鄭茂憲) [朝鮮新報 2011.3.20] |