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東日本大震災 総連兵庫県本部、救援物資を手渡し

「同胞ネットワークの強さ、感じた」

朝青兵庫・西神戸支部の金秀勇委員長(右)が朝青宮城県本部の金成吉委員長に兵庫県下の13カ所すべての朝青支部から送られた激励のメッセージを込めた手紙を渡した

 総連兵庫県本部の李修男副委員長をはじめとする総連、商工会、朝青活動家の代表らで構成された兵庫救援隊は、17日午前7時30分に神戸を出発し、同日夜に被災地である宮城に到着した。県下の活動家や生徒、同胞の避難所となっている東北朝鮮初中級学校への到着は、夜11時30分と遅かったが、 救援隊は温かく迎えられた。

 救援隊は、総連本部、朝青本部、教職員、教育会、商工会、女性同盟、金剛保険職員らで作られた震災対策委員会に現地の状況を聞いた。

 18日朝には、救援物資と救援金が手渡された。李修男副委員長は、同胞や生徒、日本市民から託された救援物資を渡し、「一日でも早く現地に行かなければと思い駆けつけた。逆境を乗り越え、引き続きがんばってほしい」と話した。

 また、朝青兵庫・西神戸支部の金秀勇委員長は、兵庫県下の13カ所すべての朝青支部から送られた激励のメッセージを込めた手紙を朝青宮城県本部の金成吉委員長(青朝東北地方委員会委員長)に渡し、兵庫県商工会の元栄一次長が、激励の言葉を述べた。

 総連宮城県本部の李英植委員長は、「兵庫をはじめとする各地の同胞が、私たちのために遠い道のりを訪ねてくれて本当にありがたい。大きな力をもらった。この感謝の気持ちをエネルギーに換えて復興作業に取り組みたい」と話した。

兵庫同胞たちの「思い」が込められた救援物資が被災地に到着した。

 朝青宮城県本部の金成吉委員長は、「兵庫の朝青員たちの気持ちが込められた手紙を、宮城と東北の朝青員たちに伝え復興に向けがんばっていきたい」と語った。

 李修男副委員長は、震災直後から数日間かけて集めた兵庫同胞たちの「思い」をやっと届けることができたと話し、「阪神淡路大震災の経験から、震災後1週間から10日後がいっそうつらくなると思うが、活動家と同胞が力を合わせれば必ず乗り越えられるはず」と語った。また、被災地には軽油をおいて帰るつもりだと明かした。

 今回の救援物資に同胞たちは大きな力を受けている。

 同校で避難生活を送っている青年らは17日夜、「大地は揺れても、笑いながら進もう!」「ともにがんばろう! 探しに行こう! 乗り切ろう!」などのスローガンを食堂に掲げた。

 余震が続く中、市内にある自宅には帰らずに学校で生活している安王瑜順さん(18、茨城朝鮮初中高級学校卒)は、「遠いみちのりをもろともせずに、各地から東北同胞に 救援物資を届けてくれて本当にありがたい」と感謝をにじませた。

非難所となっている東北初中での朝食の様子

 また、東北初中で教員を務める金順実さん(28)は、「まさか東北がこれほど大きな被害に遭うとは思わなかった。さいわい生徒は全員無事だったが、県下の危険地域にはまだ同胞が残っている」と話した。一方で、「大変な状況にあるからこそ、より同胞ネットワークの強さを感じる。正直、驚いてもいる。本当にありがたい」と涙ながらに語った。

 震災直後、対策委員会には被害の少なかった県下同胞からの救援物資が多く集められた。その後、山形などの近隣地域で救援物資が送られてきたほか、17日朝には朝青中央、青商会中央の代表らが、同日夜には総連兵庫県本部からそれぞれ 救援隊が訪れた。

 対策委員会では17日、八木山、仙石地域の同胞宅76棟に対し、各地から送られてきた救援物資(米1kg、ラーメン5パック、その他)を配った。また、前日の16日には近隣の小学校に避難してきた日本市民らにおにぎりなどを届けた。

 対策委員会では今後も、いまだ安否不明の沿岸地域に住む同胞に対し確認作業を続けていく予定だ。

[朝鮮新報 2011.3.18]