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東日本大震災 宮城同胞の現地報告

沢山の支援、本当に本当にコマッスンニダ

 被災した宮城の同胞たちが現地の状況をメールで刻々と伝えている。その内容を紹介する。

3月16日

 各地域でも食料とガソリンの不足、余震の被害を聞いている。他地域の同胞も大変なのに色々な応援と支援にこちらのみんなは大変大きな元気をもらっている。

 今日は、女性教員が中心となり、おにぎりを避難所に届けたり、各々の任された役割をみな、しっかりこなしていた。

 午後4時にはいったん一日の作業を終了し定例の集いが行われた。集いには朝青、青商会、商工会、オモニ会のメンバーと教員などの活動家すべてが参加し、今後の対応について激しく意見が交換される場面もあった。

 他地域の同胞に感謝し、地元の同胞を思うからこその熱いやり取りに、色々と感じることがすごくあった。正直、日本の被災者と比べ、ありえないくらい恵まれた環境にいることを実感している。

 普通の家庭だったら情報もない中、決められた数で水や食料、ガソリンなどを調達しなければならないのに、自分たちは沢山の情報を共有し、役割を決めて効率的に動く事が可能だ。

 そして何より、数えきれないくらいの同胞に支えられていることが、自分たちにとって最大の力になっているんだと感じている。

 現在、東京から険しい道をかきわけ、活動家たちが同胞の沢山の愛情が詰まった救援物資を届けてくれている。だからこそ、自分たちもそれに甘んじることなく、今できる事を必死でやっていかなければならないと感じた。

 明日の朝にはみなさんの救援物資が届く。それが、確実に多くの同胞の手に届くよう、もっと議論し最善を尽くしていく!(仙)

3月17日

 今日、沢山の救援物資を積んだトラック(朝青、青商会の代表5人)が午前9時30分頃、無事ハッキョに到着した。あまりに沢山の物資にとても驚いた。

 トラックから物資をリレーで下ろしていたが、ダンボール一つひとつに同胞一人ひとりの大きな愛情を、荷物の重みと共に全身で感じ受け止めた。東京でも物資が足りないというのに、何故こんなにも沢山の支援が集まるのかとみな、伝えきれない感謝の気持ちでいっぱいになったはずだ。

 宮城を代表して校長先生が感謝の意を伝えようとしたが、涙が止まらず何度も言葉につまる場面があった。周りの人も沢山泣いていた。正直、自分も込み上げてくる感情を抑えるので精一杯で、少しでも気がゆるんだら涙が止まらなくなると思い必死で我慢した。

 そして、物資を運んでくれた関東の活動家からみなさんの心強く暖かいエールを沢山頂いた。沢山の支援、本当に本当にコマッスンニダ。

 そして5人は休む間もなく、凍てつく風が吹きつける道を東京へと帰っていった。彼らが帰った後、感動の余韻に浸ってる時間はない。自分たちには、苦しんでいる同胞にみなさんからもらった、 救援物資を確実に届けなくてはいけない義務があるからだ。

 すぐさま第一陣が同胞に救援物資を届けに出発した。途中、持っていく物資の量で色々と議論になったが、対策委員会が的確に判断し指示を出していた。物資を持っていく先々で地元の同胞から感謝の言葉を沢山もらった。

 同胞社会では、一世同胞が築いてくれた相互扶助の精神が今も脈々と受け継がれている。この同胞社会の偉大さは今後も朽ち果てる事はないだろう。そして今度はその恩をいつかみなさんに返せるよう、宮城同胞一丸となって頑張っていく!

 繰り返しになるが、本当にコマッスンニダ!(仙)

3月18日

 今日は寒さが厳しいが、兵庫から来てくれた救援部隊の人々を迎えるかのように空は晴天。

 先ほど、物資伝達集会が行われた。物資はこちらの現状を一生懸命考えて送ってくれた物だとすぐ分かった。大量の食糧や生活用品を含む物資はもちろん、ガソリン、スクーター、自転車など同胞訪問をするうえで必要不可欠なものばかりだ。

 また、生徒や幼稚園児からのたくさんの絵やメッセージももらった。みんな、そのメッセージにとても励まされている。

 16年前、テレビで震災を見た衝撃は今でも頭に焼きついている。苦しい思いを経験した兵庫同胞だからこそ、伝わるものがあった。

 当時、兵庫に集まった数え切れない愛情は今、16年の時を経て宮城に集まっている。しっかりそのバトンを握りしめ、宮城同胞は走り続ける。そしていつの日か、どこかで同じ思いをするかもしれない同胞たちに、そのバトンをしっかり渡せるよう大切に大切に握りしめておく。

 マイクロバスで16時間という長い時間をかけてやってきた、16年前の兵庫同胞の思いをしっかりと受け止めた。大地は揺れても、決して揺るがない確かなつながり、同胞社会のきずなはしっかり生きている。

 兵庫同胞の温かい支援に宮城の同胞一同、言葉では伝えきれない深い謝意を表したい。

[朝鮮新報 2011.3.18]