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東日本大震災 総連活動家が安否確認

被害甚大、沿岸地域の同胞

県内同胞の安否を確認するために奔走する総連茨城県本部委員長

 東日本大地震と津波によって、同胞たちが甚大な被害を被った東北と関東の各総連県本部の活動家たちは、同胞たちの被害状況を確認するため各地を奔走している。

 総連宮城県本部の活動家たちは、被災の翌日から地震と津波による被害が大きかった海岸地域を回った。

 地震が発生した11日、本部の活動家たちは、まず総連本部と東北朝鮮初中級学校がある仙台市内を回り、同胞たちの安否を確認した。本部では、とくに甚大な津波被害があった沿岸部の仙石支部(塩釜市、石巻市、多賀城市など)と仙北支部(気仙沼市など)の同胞たちの安否確認のために尽力したが、電話回線が遮断され、直接確認が取れなかった。東北初中の食堂などに避難してくる同胞たちのために食料を調達するかたわら、仙台市内の同胞たちの生活状況の確認に専念した。

 12日から総連本部をはじめとする活動家たちは、沿岸部に住む同胞たちの家を訪ねた。この地域には、40余戸の同胞たちが居住している。

 14日に活動家たちは仙石地域に足を運んだ。同胞たちは自宅ではなく、近くの避難所で過ごしており、活動家たちが訪ねた時は、それぞれ地震と津波の被害を受けた自宅の状態を確認し片付けていた。家々は、海水が押し寄せ、めちゃくちゃだったという。

 活動家たちが目撃したのは、あたかも戦争後のような想像を絶する光景だった。家屋は破壊、車は潰れた状態であちこちに散乱し、泥や土砂で舗道はどろどろで歩きにくい状態だ。同胞たちが経営する店は、いまだに人の腰の高さまで海水に浸っているところもある。

震災の被害を受けた総連福島県本部内

 昼から夕方にかけてこの地域を回ったが、すべての同胞たちの安否は確認できなかった。しかし活動家たちも津波被害の現場にずっと留まれないため、同胞たちの被害状況の全体像を把握するまでは、数日かかりそうだという。

 一方この日、活動家たちは仙北支部の同胞たちを訪ねることはできなかったが、気仙沼市に居住するある同胞が、仙石地域に住む兄弟の家に避難していることを確認することができた。

 総連茨城県本部では、茨城朝鮮初中高級学校を拠点に活動家たちが県内各地を回りながら、同胞たちの安否を確認している。

 総連岩手県本部では14日までに深刻な津波被害を受けた東部地方の大船渡市の1戸、宮古市の4戸、釜石市の1戸の計6戸の同胞たちの無事を現地に赴いて確認した。しかし大槌町は、被害が甚大で確認ができていない状況だ。

 総連青森県本部によると、青森市内では人的被害はなく、電気、水などのライフラインも問題ないものの、八戸市に居住する同胞とは連絡がつかず、道路が遮断されているため現地へ入れないという。

 総連福島県本部では、被害が大きかった沿岸地域の浜通支部の同胞たちに、福島朝鮮初中級学校への避難を呼びかけている。15日午前現在、同校には同胞7人、日本市民9人が避難している。

 各県本部から入った情報を総合すると、現在、切実な問題となっているのがガソリンだ。総連福島県本部の活動家が伝えたところによると、何時間並んでも車1台あたり10リットルまでしか購入できず、同胞たちの安否を確認するために各地に出向こうにも、ガソリンがないために移動できない状況だという。

[朝鮮新報 2011.3.16]