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「子ども記者」

 今年度も、在日朝鮮学生「コッソンイ」作文コンクールに日本各地のウリハッキョの児童、生徒から、多くの作品が応募された。作品の内容は十人十色。地域、学年によって選ぶ題材も書き方もさまざまで、ウリハッキョの日常の姿が多彩なタッチで描かれている。

 最終審査が終了したら、1位に入賞した作品はその全文、または要旨が「朝鮮新報」紙面に毎年掲載される。それを楽しみにしている読者も多く、子どもたちの純粋な心の世界が紙面を輝かせてくれる。

 記者もその中の1人で、児童、生徒たちの可愛らしくいじらしい文面に思わず目頭が熱くなったり顔が緩んでしまい、同僚たちに気づかれてはいないかと冷や汗をかきながら読み返している。

 最近ある取材先で会った教員と会話を弾ませる中で、「コッソンイ」の話題に花が咲いた。聞いてみれば、今年度の「コッソンイ」で1位になった児童の作文指導に携わったそうだ。

 どのように指導を行っているのか聞いてみると、まず児童一人ひとりと話し合い、テーマを決める。テーマが決まれば児童に「取材ノート」を持たせるという。そこに児童らは、作文に必要な情報を書き入れ、「聞き込み調査」を始める。足りない場合は「追加取材」までするというのだから驚いた。その作品は、内容、細かな描写までが事実に沿って書かれており、実生活の中で児童たちが見る風景、世界が素直に表現された。

 大人顔負けの「子ども記者」の熱意と姿勢にわれを振り返り、よりいっそう腕を磨かねば、と思いを新たにした。(梨)

[朝鮮新報 2011.3.7]