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在日朝鮮人の部屋探し 同胞同士の助け合い

「朝鮮籍」所有者の部屋探しは今でも簡単ではない(写真はイメージ)

 「外国人」である在日同胞にとって、住まい探しは日本人ほど簡単ではない。とくに「朝鮮籍」所有者(外国人登録証明書の国籍欄が「朝鮮」の人)にとっては、頭痛の種の一つではないだろうか。

 東京・上野にあるNPO法人同胞法律・生活センターでは「住まいサポート部」を運営し、同胞の家探しの手伝いもしている。東京・新宿区で外国人の住まい探しを仲介する同胞Aさんもサポート部の一員だ。「自分にとっての利便性を考え、エリアを決めてもらって相談してくれれば探しやすい」とAさんは言う。

 「外国人入居差別が昔ほど露骨でなくなったのは確か。仲介業者である不動産業者はビジネスとして部屋をあっ旋しているため、表向きは国籍を理由に契約を断ることはほとんどなくなったが、物件所有者がさまざまな理由で『朝鮮籍』所有者を入居させないケースはいまだに多い」とAさんは話す。

 その根底にあるのは「朝鮮籍」所有者への不理解だという。近年でも、不動産業者が国籍欄を見て「北朝鮮人ですか?」と聞いてきた事例がAさんの耳に入ったほどだ。

 Aさんは「東京都の場合、足立区や板橋区などは『朝鮮籍』所有者でも比較的入居しやすい地域だ」と口にする。足立区は歴史的に同胞集住地域であるため理解があり、板橋区は外国人や高齢者の入居支援をする業者が多いためだという。

 近年では保証会社に保証金を支払えば、国籍を問わず入居を認める不動産業者や物件所有者が増えていることも確かだが、「同胞同士の助け合いを積極的に利用してほしい」とAさん。

 「進学や就職のために上京してくる場合、土地勘もないまま不動産業者を回るのは大変だと思う。そして不動産業者との契約が成立しても、最後に物件所有者に断られるケースもあり、2倍、3倍の労力を強いられる可能性もある。だからこそ『朝鮮籍』所有者の背景を知っている同胞として力になりたい。『住まいサポート部』を積極的に利用してほしい」と話す(「住まいサポート部」=TEL03・5818・5424)。

[朝鮮新報 2011.2.23]