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〈こちら同胞法律・生活センター〉 多様なニーズに即してしっかりサポート

在日はもちろん海外からの相談も

 1997年12月に東京・上野で産声をあげた同胞法律・生活センターは、活動を開始して14年を迎えた。この間、日本全国はもとより海外に暮らす同胞からさまざまな相談を受け付け、その解決をサポートしてきた。

 日本の市町村役場や金融機関などからの質問や相談も多く、総連や民団など所属団体にかかわらず、帰化して日本国籍を取得した人、在日歴の浅い韓国や中国朝鮮族の同胞、同胞と婚姻したフィリピン、タイ、中国の配偶者、そして自治体の外国人相談窓口から紹介を受けたさまざまな外国籍の人など、相談者もまた多様である。

 同胞法律・生活センターに寄せられる相談は、相続や国籍、在留資格、外国人登録など、在日同胞ならではの困難で複雑なものが多いが、借地借家、金銭トラブル、離婚、交通事故など、日常生活において誰もが直面するかもしれない問題で、法律的な解決が求められる内容も多い。

 しかしここ数年は日本社会同様、未払い賃金や失業による困窮、生活保護や老親の介護、引きこもりや障がい・疾病を抱えた家族の生活や母子家庭など、生活の困窮や家族間の生活課題とも言える内容のものが増加している。

 また一方では、離婚の増加を背景にしてか、再婚をしてそれぞれの連れ子を養子縁組し、子の姓も変更したいという相談が目立ち、(外国籍女性との間の)子の胎児認知や国籍・在留資格の取得方法、海外で生まれた子の日本の在留資格、海外で暮らす同胞が日本の実家で出産をする場合の健康保険の給付金に関する相談、性転換手術を受けたので性別を訂正したいという相談など、センター開設当初には考えられなかった相談が増加傾向にあり、同胞社会の世代交代や構成員の変化、さらに若い世代の価値観や意識の変化を実感させられる。

 同胞法律・生活センターは、このような同胞社会の変化に敏感になり、同胞一人ひとりの多様なニーズに即して、しっかりと同胞の暮らしをサポートしていく所存である。

 まずは新年より、@毎週水曜日は午後7時まで相談受付時間を延長、A毎月第4火曜日は外国人相談の日(英語での対応も可能)、B毎月第4土曜日は正午まで相談受付、と相談活動を拡充している。

 また、新年度の引っ越しシーズンを控え、センターの住まいサポート部では、「外国人お断り」などの差別に遭遇することの無いよう、同胞の住まい探しを積極的にサポートもする。引っ越しを考えている人、下宿先を探している人は是非相談してもらいたい。また不動産店から不当な扱いを受けたならば、悩まずに相談してもらいたい。

 次回以降は、センターに寄せられるさまざまな相談の中から、ベスト3−相続、家族関係登録簿、離婚―の相談について、それぞれ解説と事例紹介をする。(NPO法人同胞法律・生活センター 事務局長 金静寅・社会福祉士)

「パープルダイヤル」設置

 内閣府では現在、性暴力やドメスティックバイオレンス(DV)の被害に苦しむ人のための無料相談電話「パープルダイヤル」(TEL0120−941−826)を設置している。全国の民間支援団体の相談員が対応する。

 対象は、1年以内に性暴力被害にあった女性、その他の女性(24時間対応)、男性(11時〜23時、土、日、祝日は正午より受付)、外国人(9時〜21時)で、期間は3月27日までとなっている。

 多言語(6カ国語対応)で、朝鮮語でも日本語でもどちらでも相談できる。相談は暴力以外でも対応してもらえる。また、適切な相談機関の紹介や各種情報提供を受ける事もできる。

[朝鮮新報 2011.2.21]