平統協主催の統一討論会 「連合声明」実現のために |
在日本朝鮮人平和統一協会(平統協)が主催した「朝鮮政府、政党、団体連合声明を支持し実現するための統一討論会」が9日、朝鮮出版会館で行われた。討論会には総連中央の南昇祐副議長と李東済会長をはじめとする平統協の役員たち、関東地方の専従活動家、同胞など約150人が参加した。(写真) 討論会ではまず、李会長が報告を行った。 報告では、朝鮮の3紙共同社説(1月1日)が金日成主席の統一遺訓を達成するために金正日総書記の意志が込められた祖国統一課題を提示したのに続き、現在の難局を打開し、北南関係を改善して和解と和合、平和と統一の出路を切り開くための愛国愛族の画期的な重大決断として連合声明が発表されたと指摘。また、その実現のために相次いで対話提案を行うなど、朝鮮の主導的な措置がすべての同胞の熱烈な支持と共感を呼び起こしているとしながら、南朝鮮当局に北側との対話と協議に即時応じることを求める声が日増しに高まっていると強調した。 そのうえで報告は、朝鮮半島情勢が重要な転換期に入ったこんにち、祖国統一民主主義戦線中央委員会のアピール(1月28日)に積極的に呼応し、当局も民間も思想、制度の違いを超えて、民族同士が手を取り合って連合声明の支持、実現のために行動することを呼びかけた。 討論会では、本紙編集局の金志永副局長、月刊「日韓分析」編集員の北川広和氏、朝鮮大学校の崔勇海准教授が発言した。 金副局長は、昨年11月に起きた延坪島砲撃事件が戦争に拡大しなかった要因と朝鮮が2011年初頭から北南関係改善のための対話攻勢を繰り広げ、また中米首脳会談で北南対話を奨励する共同声明が発表された経緯と背景について述べながら、朝鮮はすでに政治的、軍事的な強国として確固たる地位を築いており、情勢の転換を主導していると強調した。 金副局長は朝鮮半島に残る戦争の火種を除去しなければならないとする共感が関係各国で形成され、分断の元凶である米国が北南対話の必要性について話さなければならなくなったこんにちの情勢は、朝鮮民族が力を合わせて平和と統一の新しい局面を切り開くための機会になったと話した。そのうえで「自主、平和統一、民族大団結」の祖国統一3大原則に沿って、6.15と10.4の二つの首脳合意履行を一貫して主張してきた朝鮮が2012年を1年後に控えた今年、北南の共同歩調で分断克服の新たな流れを作り出すことを目指していると指摘した。 北川氏は南朝鮮の李明博政権が北南対話に応じざるをえなくなった背景について話した。 北川氏は、昨年3月に発生した「天安」号沈没事件と関連し南朝鮮当局が発表した「北の魚雷攻撃」説は証拠らしい証拠もないねつ造であり、旧態依然とした反北対決路線はむしろ民心の反発を呼び起こしていると指摘した。 そのうえで昨年、南朝鮮軍の軍事挑発によって朝鮮西海で砲撃戦が勃発し、朝鮮半島に緊張が高まったが、今年に入り朝鮮の対話攻勢、平和に対する南の民衆の切実な要求、中米首脳会談の要請など一連の要因が複合的に作用し、李明博政権がこれ以上北南対話から逃れられなくなったと話した。 崔勇海准教授は、歴史的な2012年を前に、朝鮮半島の平和と安定、北南関係改善と統一問題で、大胆な政治的決着をつけようというのが朝鮮の意図だとしながら、「連合声明は『政治決着のテーブル』に現南朝鮮当局を着かせることを念頭に置いている」と強調した。 崔准教授は「強盛大国の大門」を開く過程は朝鮮半島の分断と対決の構図を平和と統一の構図に転換させる過程とつながるとしながら、2012年に大統領選が行われる米国と南朝鮮は今年、朝鮮との対話に応じざるをえない政治状況に追い込まれたと指摘。北南共同宣言を履行する道が朝鮮半島平和と民族の統一、繁栄につながると主張した。 討論会では、全在日同胞に向けたアピールが採択された。アピールでは、今こそ在日同胞が民族史的使命と責任を果たす時だとし、同胞が声を一つにして朝鮮の連合声明と対話提案を積極的に支持していこうと強調した。 そのために、全在日同胞が所属団体や思想信条の差を乗り越え、民族優先、民族重視の立場に立って、6.15の流れをつなぎ、わが民族同士が力を合わせて2010年代の最初の年に自主統一と平和繁栄の転換的局面を切り開くうえで寄与しようと呼びかけた。(鄭茂憲) [朝鮮新報 2011.2.18] |