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〈取材ノート〉 極寒の平壌

 寒い。とにかく寒い。今年の1月の平壌は異常な寒さだ。体の芯から冷えると言うが、違った順番を体験した。まずは耳、そして鼻、顔の表面、次に手足の指先から冷える。というより痛い。

 朝鮮では1945年に次ぐ歴史的な寒さを記録した。

 一日中凍った氷が溶けない日が、昨年12月24日から今年1月31日まで38日間も続いた。昼の最高気温でも0℃に達する日はなかった。

 平壌市中心部を流れる大同江の表面は完全に凍りつき、人々が歩く幾つもの「道」ができていた。遊覧船は身動きが取れない。1月30日の日曜日、穴をあけ氷上で釣りをする愛好家の話によると、氷の厚さは60センチにもなるという。

 近年、流れのゆるい岸辺の一部が凍ることはあっても、このように全面的に凍るのはまれだという。

 このような極寒の中でも、平壌の市民たちは何事もないように普段通りに出勤している。

 2月1日からやっと最高気温が5℃前後の日が続いている。平壌市民は「暖かくなった」と言うが、東京の冬からするとまだまだ寒い。

 昨年の平壌の夏がとても暑かったことが思い出される。同時に、人民生活向上の任務を担う軽工業省の幹部が繰り返していた言葉が浮かぶ。「時間がない」。

 強盛大国の大門を開くと宣言した2012年は来年だ。平壌市民はただ寒さに慣れているだけではない。職場に向かう市民の表情からは2012年に向けた意気込みと強さを感じる。(姜)

[朝鮮新報 2011.2.7]