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「無償化」問題踏まえ 朝・日の青年学生が講座

共に手を取り合おう

講座では、朝・日の大学生らが発言した

 HOWS(本郷文化フォーラムワーカーズスクール)公開講座「日朝の青年学生は手をつなごう―高校無償化からの朝鮮学校排除問題を手がかりに考える」が1月29日、東京・文京区のHOWSホールで行われた。日朝の青年学生をはじめ、日本市民、同胞らが参加した。

 HOWSは、働き、生活する者の立場から、状況を変革するための思想と文化を、講師と受講生が共に討論しながら創り出そうとする学びの場であり、行動し、働く者の国際的な連帯をつくりあげることを目指している。年間を通じて前期、後期とテーマ別に講座を開いている。

 日本政府は、朝鮮学校への「高校無償化」制度の適用について「政治、外交上の問題は配慮しない」との見解を国会で示してきた。昨年11月には、文科省の告示により、日本各地に所在する朝鮮高校10校すべてを適用の対象とする見通しが立っていた。しかし、日本政府は、延坪島での砲撃事件を口実に、朝鮮学校を「無償化」制度の適用から、当面外す考えを示した。それに加え、朝鮮学校および同校生徒に対する嫌がらせは絶ることがない。

 このような日本社会の現状を踏まえ、日朝の学生、市民たちがどう考え行動し、未来を切り拓いていくのかを話し合った。

 講座に先立ち、映画「まとう」(朴英二監督)が上映された。「まとう」は、日本学校と朝鮮学校に通う女子生徒がチマ・チョゴリをきっかけに親友となり、チマ・チョゴリを通じて世の中の偏見や差別、自己のアイデンティティーを問う物語で、ICPFF国際大学生平和映画祭2010招待作品である。

 講座では、朝鮮大学校の金玉順さん(外国語学部3年)、金星娘さん(政治経済学部2年)、宋一さん(同1年)、研究院生の申正春さんと、廣野茅乃さん(青山学院大学学生)、須藤虎太郎さん(東京大学大学院生)が発言者として登場した。

 発言者たちは、それぞれの角度から日朝の青年学生たちが手を取り合うための問題提起を行った。

 愛知朝鮮中高級学校出身の宋一さんは、高級部卒業をひかえた1年前に「無償化」問題が表面化し、即座に街頭宣伝などを行い、その不当性を訴えてきた。また、朝鮮半島をめぐる情勢について述べ、日本当局と一体化したかのような日本のメディアの横暴さを指摘した。まず、日本の朝鮮敵視政策を変えなければ「無償化」問題を解決しても、また別の方面から問題が浮上してくるとし、後輩たちのためにも、自分たちが率先して行動すべきだと語った。

 金星娘さんは、朝鮮学校は、日本の植民地政策による「産物」だと述べながら、「韓国併合」条約をはじめ、過去100年の朝・日間の歴史について言及。過去清算の見地から考えても「無償化」制度からの朝鮮学校除外は不当であると指摘し、在日朝鮮人と日本の市民は、互いに手を取り合って共生社会を築いていく必要があると強調した。

 「朝日・日朝学生友好ネットワーク」に属している金玉順さんは、活動を通じ日本の大学生と交流を深める中で、互いについて理解し合う大切さを知ったという。「膝を交えて話すことで歩み寄れたし、それは何よりも大事なことだと思う。民間レベルでの活動を広げていくことが重要である」と述べた。

 在日朝鮮運動史について研究している申正春さんは、「無償化」に関し、問題の論点をすりかえて報道する各新聞の論調について指摘した。また、民族教育を否定する橋下徹大阪府知事の朝鮮学校に対する暴言は、1948年の阪神教育闘争時の言い分と同じで、その歴史をほうふつさせるものだとし、今後の運動を展開するうえで、この事実を念頭において考えるべきだと話した。

 廣野茅乃さんは、HOWSが発刊している「思想運動」に「無償化」関連のルポを掲載した経験がある。取材活動を通じ、在日朝鮮人に対する人権を侵害している日本政府が存在し、それを許す日本社会に問題があるということを痛感したという。過去の歴史をきちんと認識し、そういった社会を変える活動をどれだけできるかが若者たちに問われていると述べた。

 東大現代社会研究会の会長を務めている須藤虎太郎さんは、研究会の活動について言及し、▼青年学生たちが日本のアジア近隣諸国に対する侵略歴史をしっかりと認識し▼排外主義を利用して推し進められている独占資本の本質を見極めるための階級的視点と▼共に携えていく国際連帯視点が重要だと強調した。 
 発言の後、参加者たちは質疑応答、意見交換を行い、朝鮮学校に対する疑問、「無償化」問題に対する認識、在日朝鮮人の人権問題などについて話し合った。
(姜裕香)

[朝鮮新報 2011.2.7]