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愛知の市民団体が講演会 「これからの100年を考える」

集いには70人が参加した

 「『韓国併合』100年から学び東アジアのこれからの100年を考える集い」が昨年12月12日、名古屋市のウィルあいちで行われ、70人が参加した。

 集いでは開会のあいさつに続き、1930年代に朝鮮総督府が「朝鮮人民の赤誠」を宣伝するために製作された映像が紹介された。

 続いて、名古屋大学の安川寿之輔名誉教授が「『韓国強制併合・大逆事件』100年とNHKドラマ『坂の上の雲』放映―日本の近代史を根本から見直そう―」と題して講演した。

 安川名誉教授は、強制併合から100年を迎えた昨年、50カ所に及ぶ地域で講演を行っており、「明るい明治」「健全なナショナリズム」が、なぜわずか20数年の間に天皇制軍国主義の「暗い昭和」=「昭和前期の『超国家主義』」につながっていったのかについてわかりやすく解説した。

 参加者たちは、日清・日露戦争の本質が日本による朝鮮への侵略と植民地支配への道のりであることを確認できたなどと感想を述べた。

 講演終了後、実行委員会の構成団体である「韓国併合」100年東海実行委員会や愛知県教職員労働組合協議会、名古屋・三菱朝鮮女子勤労挺身隊訴訟を支える会の代表たちがそれぞれ報告を行ったほか、在日朝鮮人の無年金問題を卒論で取り上げた大学生が感想を述べた。

 実行委員会を代表してあいさつした日朝協会愛知県本部の小出裕事務局長は、これからの100年が「愚者の平和」でないようにしなければならないと述べながら、「私たちの価値観に100年の耐用年数があるかを吟味し、継続的な運動で新しい歴史を切り開きたい」と力強く語った。

 「高校無償化」問題を背景に朝鮮学校を支援する市民団体がネットワークを構築する中で開かれた今回の集いは、これからの100年のための活動のスタートとして意義深いものとなった。【愛知支局】

[朝鮮新報 2011.1.14]