夏に思うこと |
子どもが幼い頃は、夏に一度は必ず海水浴に行ったものだ。何かの事情で行けなかった年は、子どもたちに申しわけなくとても大事な忘れ物をしたような気さえした。 しかし、子どもが大きくなってからは家族で行くこともなくなってしまった。子どもの成長はうれしいことだが、少し寂しさも感じる。 最近、夫と子どもたちの幼い頃を思い出しながら、「あの頃が一番よかったなあ」なんて、しょっちゅう言い合っている。これは間違いなく私たちが年をとった証拠だ。 そんな私にとって海に行く機会は、唯一学校のキャンプ活動。今年の夏休みも例年のごとく少年団のキャンプが始まった。 私にはこの時ばかりと楽しみにしている事がある。 それは、子どもたちが寝静まった頃に部屋の見回りをしながら、一人ひとりの寝顔を見ることだ。 笑ったり、怒ったり、喜んだり、悲しんだり、泣いたり、すねたりと昼間はいろんな表情を見せてくれるやんちゃで少し生意気だったりする愉快な子どもたちだが、寝顔はみなあどけなく本当にかわいい。私にとっては一日の疲れを癒してくれる貴重な瞬間である。 そんな子どもたちの寝顔をのぞきながら、明日も元気いっぱいの笑顔を見せてくれるであろう子どもたちの未来を、しっかりと守ってあげなくてはと心を新たにする。(趙弘子、教員) [朝鮮新報 2010.8.27] |