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W杯からの贈り物

 4年に一度、にわかサッカーファンの私だが、今年のサッカーW杯はパワー全開!

 44年ぶりのウリナラ代表の参戦、ウリハッキョ出身の安英学、鄭大世選手の活躍への期待など心躍ることばかり。

 初めは大陸予選を勝ち抜きW杯に出られるというだけでもう大満足、おまけに強豪が集まる死のグループに入ったのだから、負けてもしょうがないかなぐらいに構えていたのだが、対ブラジル戦での好戦の様子に一変!

 「ポルトガルに勝ち、決勝トーナメントまで!」なんて勝手に夢がふくらんでいった。私だけかなと思ったら、結構周りもみな同じ。

 でも、世の中そんなに甘くはない。残念なことに一勝もできないまま終わってしまった。

 しかし、同胞社会に与えてくれた夢や希望、勇気は計りしれないだろう。

 W杯が何なのかわかってるようでわかっていない幼い1年生が教室に入るや否や、「今日、ウリナラの応援するんだ!」と、朝から大張りきり。次の日には何とも言えない悔しそうな表情を浮かべる子どもたちの姿に、W杯から贈り物をもらった様な気がした。

 それは、子どもたちの心に宿った民族を愛する気持ち!

 自宅のテレビでは観れないからと、わざわざ友だちの家に泊まりに行きながら眠ってしまい、肝心な試合はロスタイムの3分間しか観られなかったというお馬鹿な息子。親子共々、気持ちはすでに4年後のブラジルへと飛んでいる。(趙弘子、教員 京都市在住)

[朝鮮新報 2010.7.23]