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ポジャギに込めた思い−伝統にひと工夫

 先日、東京・町屋で開かれた女性同盟東京・荒川支部パッチワークサークル20年展「脈々」には、実に多様な作品が展示された。今回出品されたのは、朝鮮の伝統的なポジャギを中心に、チュモニや針抜き、ポソン、ミニチュアのチマ・チョゴリ、タペストリー、パッチワーク作品など。

 とくに人目を引いたのが、大胆な色使いと斬新なデザインが特徴の金明子さん(65)のポジャギ。赤・黄・緑・紫といった原色に、友人に頼んで書いてもらった「書」をはめ込み、軽やかに「タルチュム」を舞う2人の人物を登場させた。

 秦慶恵さん(68)のタペストリーは、パッチワークの技法を用いて端午の名節にクネティギ(ブランコ遊び)を楽しむ民衆の姿をアップリケで表現したもの。観客からは「こんな作品見たのは、はじめて」「どうやって作ったんだろう」「ぜひ教えてほしい」との感想が寄せられた。

 秦さんは、初級部時代に朝鮮学校閉鎖令を体験し、果敢に闘う同胞女性たちの姿を目の当たりにして育った世代。「日本で生まれて育ったからこそ民族的なものをもっと身近に感じて暮らしたい。民画を通して知った朝鮮の原風景を作品にとどめて、1世から語り継がれた民族の風情を、孫の4世にも伝えたい」と願っている。(潤)

[朝鮮新報 2010.12.10]