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権力の横暴−歴史を繰り返すのか

 厚労省郵便不正事件における村木元局長の無罪確定とそれに関連した主任特捜検事の証拠改ざん事件は、何を物語るのか。単なる冤罪事件ではなく、政治的謀略事件だと指摘するのは雑誌「世界」11月号である。

 日本の大手メディアは、この事件を徹底的に解明するには熱心ではない。叩く標的を村木さんから主任検事に替えただけの報道ぶりは余りにもお粗末。

 松本サリン事件のときに、河野さんを犯人扱いする深刻な人権侵害が発生したことがあったが、また、しょうこりもなく繰り返された。

 ここで思い出されるのは、安倍、麻生政権下で漆間巌元警察庁長官(官房副長官)を頂点とする公安警察によって引き起こされた総連に対する数々の弾圧事件。「とにかく北朝鮮や 総連絡みの事件を徹底的に摘発せよ」という指示が警察庁から全国警察に下達され、記者たちは「対応に大わらわだった」とジャーナリストの青木理さんは振り返っている(「拉致問題を考えなおす」青灯社刊=写真)。

 警察はメディアを利用して世論を煽り、国民の間に朝鮮や総連への敵意と憎悪を植えつけ、朝・日関係を最悪の状態に作り上げた。権力が思うがままに力を振るうようになれば、民主主義は崩壊するしかない、と日本の歴史は教えている。(粉)

[朝鮮新報 2010.11.5]