top_rogo.gif (16396 bytes)

「応答」−共に声を上げた詩人たち

 朝鮮学校の「高校無償化」問題がまたもや先送りにされたまま2学期がはじまった。先月出版されたばかりの「朝鮮学校無償化除外反対アンソロジー」(別冊)に収録された、京都朝鮮中高級学校・呂仁珠さん(高3)の「無題」という作品に胸を締めつけられる思いがする。

 「キラキラ光る無償化の文字/私たちの心を躍らせた/手を振って去る無償化の文字/私たちの心を凍らせた」

 一体、どれほど朝鮮学校の子どもたちを傷つけ、朝鮮人の胸をえぐり続ければ気が済むというのか。

 先のアンソロジーには、79人の日本の詩人・歌人とともに在日朝鮮詩人の作品も多数収録されている。発刊にあたり、許玉汝さんはじめ在日朝鮮詩人(2世)の多くは「はじめて日本語で詩を書いた」と語った。

 「(植民地時代に)奪われた言葉と民族性を取り戻すため」1世らと志を共にし、頑なに朝鮮語での詩作にこだわり続けてきた詩人たちを変えたのは何か。それは、河津聖恵さんはじめ「高校無償化」問題に積極的に取り組む日本の詩人・歌人たちの強い呼びかけに対する応答であり、一人でも多くの日本の市民に在日朝鮮人の声を届けたいとの切なる願いである。

 許玉汝さんは、「日本の詩人たちは私が長い間抱いてきたわだかまりを溶かしてくれた。彼女たちとは、共に生きる仲間として手を取り合っていける」と語った。

 アンソロジーに込められた朝・日詩人たちの願いが報われ、子どもたちと同胞たちの心の傷が癒えるまで、闘いの歩みは止められない。(潤)

[朝鮮新報 2010.9.10]