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環境整備望む−政策決定の場に女性の声を

 8年前に本紙「女性」欄で働く女性についての連載をしたことがある。結婚、妊娠、出産を期に退職を迫られたり、職場の要職はすべて男性…という同胞社会の一端を取り上げた。最終回の座談会で趙英淑さん(当時41歳)は、「効率面だけ考えると育児中の女性は条件が悪い。でも、質の面を重視すれば、数年後には人間的に成長した人材になりえる。女性の潜在的な力を活用する視点が不可欠だ」と述べていた。今の状況に変化はあるのだろうか。

 最近、取材先で会った40代の女性教員たちは、これから結婚・出産を経験するであろう20代、30代の女性教員たちに「仕事を続けてもらいたい」と話していた。自身も教員と子育てを両立してきた。子どもの急な発熱や保育園からの呼び出しに、手の空いた同僚が対応したり、祖国訪問時など母親が日本を離れるときには子どもを一時期預り自分の子どもと一緒に育てたなどのエピソードを聞いた。彼女たちは今、生徒たちからは「オモニ」、若い教員からは「オンニ」のようだと慕われている。

 組織において理想的なのは、各世代の男女が共に働き、自由に意見を述べ合える環境ではないだろうか。W杯開催で盛り上がる南アフリカでは、クォーター制(政治家や委員などの人数を制度として割り当てること。男女差別による弊害を解消するため政策決定の場の男女比率に偏りがないようにする仕組み)導入後、女性議員の割合が44.5%で世界3位(2010年現在)になるという。現在、各地で定期大会が開かれているが、総連の専従職員および幹部のうち、女性が占める割合はいかほどだろうか。(潤)

[朝鮮新報 2010.6.25]