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「韓国併合」100年−ウソで固めた醜悪な歴史

 日本の「韓国併合」から今年で100年。

 ところでなぜ、日本では「朝鮮を植民地にした」とはっきりいわず、「韓国併合」とか「日韓併合」とかいいならわしているのか。

 ただ習慣としてそういっているのではなく、第二次世界大戦以降も、日本政府は「世にいう植民地に対する搾取ではなかった」と強盗の論理を一貫してふりかざしてきた。

 歴史家の中塚明さんの研究(三省堂選書「近代日本と朝鮮第三版」などに詳述)によれば、そもそも「併合」という言葉は、「韓国併合に関する条約」を決定するにあたってわざわざつくられた造語であるという。

 当時の日本外務省の政策局長であった倉知鉄吉が自らそう証言しているのだ。

 なぜこんな言葉を造ったかといえば、合併では日本と韓国が対等な立場で連邦になったという印象を与えかねないし、そうかといって実質が「植民地」であっても言葉のうえでは日本が韓国を一方的に支配下に置いた印象をあたえたくないという、日本政府の見えすいた小細工なのである。

 このエピソードに示されるように、日本の朝鮮植民地支配は美辞麗句のウソと強弁で固められた醜悪な歴史として出発した。

 「従軍慰安婦」や「強制連行」があったから日本の植民地支配が悪かったのではなく、植民地支配そのものが、不法、不当で道義性を欠く極悪非道な歴史であったのだ。

 しかも、敗戦後の60年、真の意味で、日本が政治、経済、道徳的に自らその歴史を恥じて、反省をしたならば、今回の「高校無償化」から朝鮮学校を除外しようとするような愚劣な行為を繰り返すことはなかったに違いない。(粉)

[朝鮮新報 2010.3.12]