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アンニョン会−運営支える「縁の下の力持ち」

 朝鮮新報の記者としてさまざまな場所へ取材に行くが、こと地元の取材には地元の記者を送ろうとするのがデスクのちょっとした配慮といえる。

 東京・練馬区で暮らしはじめて20年。学生時代の夏季社会実践活動を含めて朝青時代に区内の同胞宅をずいぶん訪ね歩いたと思ったが、当時は主に同世代の青年やサマースクール対象者を訪問していて、今思えばとても地域同胞の暮らしを知るにはおよばなかった。

 昨年末、地元・練馬の65歳以上の同胞女性を対象に開かれる入浴と体操のつどい「アンニョン会」を取材した。女性同盟練馬支部・安正恵委員長に話を聞くと、一人暮らしの女性の多いこと…。「アンニョン会」は、そんな女性たちの楽しみであり心の拠り所となっている。

 ある女性は、大病を患い入退院を繰り返していたが退院後、自宅で一人寝ていると「アンニョン会」の人々が恋しくなり、タクシーを呼んで這うようにしてつどいに参加(見学)したという。またある人は、高齢で入浴に介助が必要となったが、嫁や娘が付き添い、会に出席した。それほどまでに女性たちにとってこの会は「行きたい場所」となっているのである。

 会の運営を支える安委員長と「縁の下の力持ち」的女性の存在は大きい。毎回欠かさぬ送迎と入浴割引チケット、個室の確保。「みなさんが喜んでくれたらそれが全てだから」と、参加者一人ひとりを家のすぐそばまで送り届け、同胞女性たちが寂しくないよう、少しでも楽しく健康でいられるようにと身を粉にして働く「先輩」たちの姿にとても感動した。

 支部の新年会では、記事の掲載を喜ぶたくさんの笑顔に囲まれた。地元を含め、元気の出る記事を書いていきたい。(潤)

[朝鮮新報 2010.2.12]