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幸せなひととき−「コッソンイ」作文コンクール

 毎年、朝鮮新報社主催で行われる「コッソンイ」作文コンクールに、今年も日本各地からたくさんの朝鮮学校児童・生徒らの作文と詩が寄せられた。

 子どもたちが書いた自筆の原稿を読んでいると、実に心が洗われるような気持ちになる。ある子は、祖父や父のようにウリハッキョを守り発展させていきたいと決意を固め、またある子は、生徒数の少ない学校で健気に学生生活を送っている。中には新校舎設立を思い描き、先生たちにも新しい机とイスを贈りたいと考える子どももいる。そんな子どもたちのために、大人は何をなすべきかを考えさせられる。

 師走の真っ只中に行われる最終審査には9人の審査員が参加する。審査期間中、ある審査員は夜ごと深夜2、3時まで原稿を繰り返し読み、時に笑い、時には涙を流しながら作品ごとに小さな評を添えている。また、文中にある単語や表現が朝鮮語としてふさわしくないものの作品全体はおもしろい、それをどう評価すべきかと悩む審査員もいる。審査当日は朝から晩まで熱い討論の末、入選作品が決定する。

 「子どもたちの作品は同胞社会の縮図。作品の裏にいる教員や学父母、同胞たちを思わずにいられない」「ウリハッキョに通う子どもの作品を手に取り、詩を愛する人々と顔を合わせ、大好きな詩について語り合えるのは何よりの幸せ」とは、最終審査員の言葉である。

 32年の歴史を刻む「コッソンイ」の1等作品を通して読者にも「幸せなひととき」を味わってもらいたい。(潤)

[朝鮮新報 2010.1.15]