top_rogo.gif (16396 bytes)

春・夏・秋・冬

 激動の1年だった。朝鮮半島の停戦体制の矛盾がついに噴きだした。哨戒艦沈没や西海砲撃戦がもたらした緊張は、同胞を取りまく環境にも波及した

▼日本政府は「高校無償化」で差別的施策を続けた。政権交代を遂げた政治家たちに「改革意志」は見て取れず、打算的言動と自己保身が横行した。「すべての高校生が安心して勉学に打ち込める社会を作る」と言いながら、朝鮮学校生徒だけを除外する理不尽を「拉致」「砲撃戦」でごまかす権力の横暴。同胞たちは怒りの声をあげた

▼厳しい情勢の中でも、未来を見据える人々の意気込みが萎えることはなかった。総聯の全体大会が開かれた今年、各地で朝鮮学校を支え、民族教育を発展させるための大衆運動が盛り上がりを見せた。「無償化」問題でも、朝高生や同胞たちの正当な主張が日本の幅広い市民層から支持を得た。同胞社会では若い世代が奮起し、「ウリミレEXPO」などのイベントも成功を収めた

▼それらは「次」へつながるステップだ。難局に立ち向かうとき、時代を切り開く活力が生まれる。歴史はらせん状に弧を描きながら発展するというが、2010年の出来事は、大きな転機の到来を予感させるものだった。今後、朝鮮半島の平和をめ目指すきも始まるだろう。新しいものが古いものに取って代わる。今年の成果を土台に、さらなる飛躍を実現せねばと、年の瀬に思う。(永)

[朝鮮新報 2010.12.24]