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春・夏・秋・冬

 「不満が噴出している国内を締めつけるために緊張状態を作っている」「米国に関心を持ってもらいたいがための瀬戸際戦術」などなど、延坪島での砲撃事件について報じる日本のメディアの朝鮮報道はまったく進歩がない。朝鮮半島をめぐる軍事的緊張の原因、米韓軍事合同演習の狙いなど本質的な論議がまったくない、井戸端会議のような雑音ばかりだ

▼政治の混乱と出口の見えない経済不況、そこから派生する高齢者や幼児など社会的弱者への虐待、12年連続となる年間3万人を超える自殺者など、国内に山積する問題から目を背けさせるため、「北朝鮮の脅威」一色に日本列島を染め上げている。緊張を作り上げているのが日本自身であることは誰の目にも明らかだ

▼いつもは閣僚の失言や発言の矛盾をこれでもかと言うほどほじくり返している議員たちが、今回の事件に乗じて、「教育上の観点から客観的に判断すべき」と日本政府自らが出した統一見解を翻し、朝鮮学校に対する「高校無償化」適用の「審査手続きの停止」を表明したことに関しては、かん口令でもひいているのかと思うくらい沈黙している

▼メディアが強調する「日米韓の連携」という発想は冷戦時代のものだ。米国による一極支配は終わり、世界は多極化へと向かいつつある。旧態依然とした発想、立場では世界の流れから取り残されるのは必至だ。(国)

[朝鮮新報 2010.12.1]