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春・夏・秋・冬

 「この20年間にわたって本来なら取り組んで解決しておかなければならなかった問題を先送りしないで解決していくんだ、と先送り一掃宣言と呼べるような所信表明」。菅直人首相は9月30日、衆院本会議での所信表明演説の特色について、このように説明した。主に「失われた10年」など経済問題を念頭に置いてのことだろうが、政治でも多くの問題が山積している

▼日本のメディアがこぞって政府の対応を非難している、中国漁船問題などで表出した領土問題や歴史わい曲の動き、何よりも真摯な過去の清算に基づく朝鮮との関係改善は、日本が真っ先に取り組むべき政治問題だろう。菅首相に、「拉致、核、ミサイル」という到底不可能な対朝鮮政策を一気に転換する意気込みがあるのか聞いてみたい

▼先送りと言えば、朝鮮高級学校への「無償化」適用問題も忘れてはいけない。思惑としては朝鮮学校を除外したいのだろうが、内外からの厳しい批判にさらされ、適用の可否を先送りにしているが、いつまでも放っておいていい問題ではない

▼「無償化」問題をはじめとする在日朝鮮人の権利を保障することで過去と向き合う姿勢を見せれば、朝鮮との関係もおのずと改善するだろう。「先送りを一掃」するだけでなく、政策を180度転換するくらいのことをしなければ、どの分野でも道は開けないのは明らかだ。(国)

[朝鮮新報 2010.10.6]