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春・夏・秋・冬

 出張で西日本を訪れた。雨一滴降らない猛暑にはうんざりだが、朝鮮学校を支える同胞の熱気は負けていない。一つの行事を成功させるために、どれほど多くの人々が汗を流しているのか、まざまざと見せ付けられた

▼「子どもたちの未来のために」。朝鮮学校への「高校無償化」適用を求める運動や各地で行われた同胞行事の盛り上がりは、幅広い同胞の力で民族教育を守り発展させていく流れが加速していることを印象づけた。その熱さに接すると猛暑も心地よく感じられる

▼一方、産経新聞のでたらめ報道ぶりはエスカレートするばかり。「反日教育」といった中傷に飽き足らず、朝高の学費や修学旅行費を挙げ、「水増し請求」「資金集め」などと捏造記事を連発。日本政府の差別や権利侵害には目をつぶり、「自治体から多額の補助金があるため、運営費の多くをまかなえるはず」(8月21日付)などと嘘まみれの情報を垂れ流している

▼日本が朝鮮を植民地支配してから100年。出張先では、南朝鮮だけに向けられた「首相談話」に対する怒りの声が聞かれた。岡田外相は「(談話の)趣旨は朝鮮半島全体に及ぶと思う」と弁解したが、朝鮮に対しては談話を発表しないと強調。その上、文化財返還について「これで一区切りをつけたい」「ほかは決着済み」と言い放ち火に油を注いだ

▼夏も終わる。頭を冷やしてほしい。日本の過去清算は朝・日関係改善の大前提であり、日本が無条件に取り組むべき問題だ。そして、平壌宣言には「在日朝鮮人の地位に関する問題」が含まれている。改めて指摘する。(天)

[朝鮮新報 2010.8.31]