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「最低でも県外」という「公約」が「党代表の発言」となり、「ゼロベースで探す」と言いながら県外への移設可能性を本気で検討した形跡もない。鳩山首相は24日、米軍の普天間基地の移設先を辺野古周辺とする方針を正式に表明した。自民党からの政権交代がもたらしたものは、米軍基地問題に関しては何もなかったというわけだ ▼日本の国土面積のわずか0.6%にしか満たない沖縄には、在日米軍基地の75%が集中している。仮に普天間基地が県外に移設されたとしても、沖縄の人たちの負担が一気に減るわけではない。にもかかわらず、「沖縄県民の負担が軽減できれば、鳩山総理に政治責任は生じない」(平野官房長官、24日)と主張する感覚はまったく理解できない ▼山口県岩国市では23日、集会が行われ、米軍基地がある各地の市民団体や地元の高校生など約4千人が集まった。参加者たちは「怒」と書いたプラカードを掲げ、米軍に「NO!」を突きつけた ▼鳩山首相は、「朝鮮半島、アジアの情勢を考えた時に日米関係をしっかりとした信頼関係の上に乗せることが何よりも大事と判断した」「昨今の朝鮮半島情勢からもわかるように、東アジアの安保環境に不確実性がある」などと在日米軍の「抑止力」を強調した。しかし、「制裁」などで日本が朝鮮に脅威を与えることはあっても、朝鮮が日本に脅威を与えたことなど、一度もない。中国もしかりである ▼鳩山首相が就任当初しきりに口にしていた、「米国と対等な関係を築く」というのが、「学べば学ぶほど」無理だったということか。(国) [朝鮮新報 2010.5.26] |