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リーダーの動静は、それぞれの国情を反映する。2月上旬、王家瑞・中国共産党対外連絡部長が胡錦濤主席の口頭親書を携えて訪朝した。咸鏡南道咸興市で現地指導を行っていた金正日総書記は平壌に帰らず、東海岸の地方都市で中国の要人に会った ▼近年、王部長は定期的に朝鮮を訪れ毎回、総書記と面会している。昨年は総書記の「健康問題」をめぐって各国のメデイアが憶測報道を流す中、外国要人として初めて面会した。朝鮮側が中国に、そして王部長に「外交得点」を与えたように見えた ▼今回は総書記の「出張先」まで王部長が移動した。会見では2国間問題だけでなく朝鮮が提案した平和協定会談などのテーマが話されたようだが、この問題で中国の役割は限定的なのかもしれない。朝鮮側は平和実現のためには、まず米国の政策が転換されなければならないとの立場だ ▼地方都市での面会は意味深長だ。総書記は平壌に帰らず咸興にある2.8ビナロン連合企業所を連日訪れていた。長い間、沈滞状態に陥っていた企業所が息を吹き返した。無煙炭から作る合成繊維・ビナロンの量産体制が整ったという。人民生活向上に直結する成果を総書記は現地の人々と共に喜んだ ▼朝米関係改善や平和の実現という外交目標も、最終的には国の復興、人民生活向上につながらなければ何の意味もない。今後、数年間で目標を達成するために政策遂行の優先順位を決め、それに従いスケジュールを立てる。咸興会談は、現在、朝鮮のリーダーがどのようなマインドで国政を運営しているかを物語っている。(永) [朝鮮新報 2010.2.17] |